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海外の話が多め。近頃は中国が多め(中国海警局・中国海監、深海潜水艇、感染症など)。

新型コロナウイルスと変異株と交通事故 「とても滑りやすくなっています」

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もう3月も終わりなので、新型コロナ禍と、新型コロナウイルスの変異株(ニュース記事では変異ウイルスとも書いている)について雑感を少し。だらだらと。

 

新型コロナのこれまで(第2波・第3波)と、感染しやすい”変異株”(第4波?)について話す時、ときどき車の運転と交通事故に例えています。

 

  • これまでの新型コロナウイルス(第2波・第3波)は、雨で濡れた道路です。
    滑りやすくなっているので、普段の晴れた日よりも運転に注意が必要です。

  • 新型コロナウイルスの変異株は、雪道や凍結した道路です。
    とても滑りやすいので、これまでと同じ運転ではダメです。事故ります。
    また、凍結した道路(新型コロナ変異株)では、玉突き事故・多重衝突事故(集団感染・クラスター)が起きやすいです。

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新型コロナの変異株による第4波は、これまでは”本日も雨、ところにより強い雨”だったのに、突然に吹雪になったり豪雨、濃霧になるようなもの。いきなり『サイレント・ヒル』の世界です。

ふと気付いたら目の前まで迫っていました。

そんな時に、これまでと同じ運転でスピードで突っ走ったりは普通しませんよね?

この状況で、スリップ事故や追突事故、玉突き事故を起こさないためには、普段よりスピードをおとす(以前とは違った生活パターンを)、車間距離を充分にとる(ソーシャル・ディスタンス)、渋滞を避ける(他の大勢と同じ時間・場所・行動を避ける)などなど、その状況にあった運転(生活)が大事です。

 

こういうのは、論理的な説明かどうかではなく、ふんわりと納得できそうだったり、なんかだまされている気がしても、これまでと同じ行動をしてると「事故る」かもしれないとイメージしてもらえればいい。

 

雪道や凍結した道路に縁が薄い沖縄県など南国の地域なら、台風が近付いて強風の時やスコールのような豪雨とか、自動車に乗らない人なら、歩いて階段を下りる時とかワックス塗り立ての廊下、坂道を下る自転車とか、まあいろいろで。 😊 

 

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政府や行政や感染症の専門家は、感染の予防対策は、新型コロナウイルスの変異株でも基本的なところは同じと言っています。これは「情報」としては正しくても「リスク・コミュニケーション」では失敗です。

車の運転と交通事故の例えだと、豪雨や豪雪となる爆弾低気圧が近付いているのに「安全運転を心掛けましょう」とばかり言っているようなものです。

 

 

「気の緩み」 で新たな感染者数が下げ止まりリバウンドという表現がよく使われています。これも失敗ですね。

車の流れにのって走っていたら、気付いたら車間距離が近かったりかなりのスピードが出ていたようなもの。

それは「慣れ」で、自分が「気が緩んでいる」とは思っていないんじゃないでしょうか。
(中には「はいはい、ご飯はさっき食べましたよ」じゃないけど、認知の歪みが生じている場合もあるのかも)

 

車の運転は慣れてきたときが、いちばん事故を起こしやすいといいます。旅行先で走るのに慣れてきて、フッとした時にも事故りやすい。

マスクや消毒薬など感染予防対策とされる行動に慣れてしまっている。日常化してしまった。

これまでずっと同じことを続けていて、わたしは感染をしていない。
 → だから今のやり方で大丈夫、とわたしは感じている。
 → さらに厳しくはしたくない。
 → みんな”自粛疲れ”と言ってるし、わたしもすこし楽してもいいんじゃない?
 → 周囲を見てみると、みんなやっている(やっていない)。
   ほら、だんだんと楽な方向へと流されていっている。

”なんちゃって感染予防対策”だったとしても嫌がられないかもと感じる空気も出来ているよう。

「シートベルトをしているから事故を起こさない」わけはありません。

 

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そりゃ、誰もが「安全運転」を出来ていれば交通事故は激減するでしょう。
でも、そうはならないのが残念なところ。(日本社会は同調性が強くて交通事情はマシだと思う)

「事故率が低いからわたしは事故を起こさない」わけはありません。

ケース・バイ・ケースでのリスク評価が重要で、硬軟の対応が必要です。

 

 

新型コロナウイルス対策の法律や条例には、厳しい”道路交通法”はありません。

パトカーや白バイが警戒をしているわけでなく、ネズミ捕りや覆面パトカーといった抜き打ちの摘発もない。義務講習は無く、マスコミの報道には(どの番組とは書きませんが)ダメな両論併記の見本も多い。

「これは、やりたい放題だぜ!(ヒャッハー)」と北斗の拳な感じで言ってしまうのは語弊がありますが、結局のところ、感染予防対策も「3密を避けましょう」も、時短営業もどれも”要請”が基本。

 

新型コロナの緊急事態宣言は、いわば道路の通行制限と速度規制でした。

車の数が減れば、車間距離(ソーシャル・ディスタンス)がとりやすく事故が減ると考えるのは当然でしょう。実際には、交通量が減って走りやすくなったことでスピード出し過ぎた事故が増えたそうですがこれは余談。

時間帯で区切ったから、その制限時間の前の通行量が増えて渋滞も起きてしまった。

道路の通行制限の”要請”に対して、「そんなの守ったら商売上がったりだ」、「そんなの知ったことではない」、「道路を使う権利を制限はできない」、「わたしの周りでは誰も守っていない」等々、自分の都合を主張する時の声は大きいようです。そんな職業・業態・店舗などで玉突き事故(集団感染・クラスター)が発生しています。さらに、職場や家庭内へも感染拡大をしている。

変異株は児童など低年齢も含めて、集団感染・クラスターが起こりやすい。

 

 

先週末、用事があってやむを得ず駅前の繁華街へ行ったんですよ。

人出が多いのは予想していたけれども…、お昼の時間帯、窓が開かない換気が悪い店(入ったことある)でドアも閉めているカフェ・レストランの店頭に長蛇の列になってて、しかもグループ客が多いのにはちょっとびっくり。
もしあの中にCt値が低い感染者、スーパー・スプレッダーが1人いたら店内の客の3割はもっていかれるな、しかも”感染経路は不明”と発表される、と思いつつすこし距離をとって通過しました。

 「赤信号、みんなで渡れば、怖くない」とは北野武監督の言葉だったでしょうか。マヒしかけているです。

 

 

ある程度、車の運転に慣れてくると、どのあたりの道路は危ないとか、あの交差点は見通しが悪いとか、どういう動きをしている車・運転手に近付くと危ないというのが分かってきます。

「新型コロナ禍の歩き方」でも同じです。そういう分かりやすいガイドブックはありませんが。(具体的な事例を書くと差別だヘイトだなんだかんだと反響がひどくなりそう)

 

JAF(日本自動車連盟)では公式サイトの「[Q] 知っておきたい雪道・凍結路の危険ポイントはどこですか?」というページで次のように説明をしています。

・風通しのよい橋の上や陸橋、トンネル出入口付近がもっとも危険。
・アイスバーンは雪道以上に滑るので注意が必要。
・道路脇の道路との境の矢印や反射板のポールを見当に走行する。

こういうところを軽く考えた運転手のトラックがトンネル出入り口で事故ったり、スタックをするから後ろの数百台が立ち往生して大雪で埋もれてしまったり・・・

 

新型コロナ対策でも、生活や仕事での行動範囲の「[Q] 知っておきたい危険ポイントはどこですか?」の答えがいくつも見えている人は多いだろうと思います。

知識と経験と、情報のアップデートと、状況に合わせた硬軟な対応が必要かと。

 

 

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近頃は、ブレーキとアクセルの踏み間違いとか歩道に突っ込んだとか、道路を逆走している車がいるなど、残念なニュースを見ることも多くなりました。 

昨年(2020年)、名前をおぼえる価値も無い「迷惑ユーチューバー」が新型コロナの症状が出ているのに、旅行先の観光地の飲食店でいきなり見知らぬ人と相席をしてきて、店内の近くにいた2~3人が陽性の結果となりました。

これは暴走車がいきなり歩道に突っ込んだ感じですかね。

 

こいつは論外だとしても、自分では暴走しているつもりは全くなくても実は無症状感染者で、入国検疫後の健康観察期間中に複数と会食した外国メディア記者(当時)のように、変異株の集団感染の起点となる場合もあります。 

困ったことに、家庭や職場クラスターなら自覚もできますが、市中感染での飲食店・カフェなどでの感染拡大だった場合、自分が原因で他の人が”事故った”、感染したり死亡したとしてもそれを知る機会はほぼないでしょう。

自分が加害者だったと気付くことすらできない。

交通事故と比べると、その機会が非常に多いのが新型コロナです。ホント、タチの悪いこと。

 

星新一のショート・ショートか岡嶋二人のマンガだったでしょうか。ある日、普通の生活をしていた会社員が突然死して、気がついたら天国・地獄の門に続く道の閻魔様の前に立っている。自分は人を殺したことなんかから天国に行けるはずと考えつつ、若い頃に行ったさい銭泥棒を思い出してガクガクブルブルしているという話がありました。
ネタバレしちゃいますけど、実はパワハラなどで5人分くらい他人の寿命を縮めていた人生だとわかって地獄落ち。オチだけに。

新型コロナ禍のいま、無自覚に他人の命を削ったり奪っていた感染者は、果たして閻魔様から何を言われるのでしょう?

 

 

外国の例では、監視体制を強化して私権を一部制限し、理由なく外出しただけで罰金とか厳しい対応もあります。
成功している国もあり失敗している国もありで悲喜交々。

 

日本に合うのは、道路の厳しい通行制限はすることなく、大部分の車がスピードを落として車間距離を充分にとって走れる、ゆっくりの整然とした車の流れも止めないで進める、そういった仕組みを作ることと思います。

かじ取りが難しいですが、地方の自治体・都市なら出来ると思うんですよね、これ。

東京や首都圏、大阪や愛知ではやろうと考えてみてもダメでしょう。

 

昨年(2020年)の新型コロナウイルスの流行の初期から、とくに集団感染・クラスターが発生した状況とその後の収束についてその後も含めてチェックしています。地方の方がうまく対処できていると感じます。

ただ、地方自治体・地方都市の医療現場や保健所の職員の人数や検査機器の数、マンパワーや設備に加えて予算も多くはなく、打てる手段に限りがある。

にも関わらず、大都市圏から暴走車がやってくる。

全員がそうではありませんし、少数の事だとは思いますが…、そのわずか少数から地方での集団感染・クラスターへと発展してしまう。旅の恥はかき捨てなのか、感染者の少ない地方だからと感染予防対策がさらに雑になっているのか・・・

 

 

感染症は、マナーがどうだという次元の話ではない。

新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)が最後のパンデミックなわけはなし、これからも出てきます。10年以内にあるという推測もあります。

今回のこれを奇貨としてほしいものです。