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海外の話が多め。近頃は中国が多め(中国海警局・中国海監、深海潜水艇、感染症など)。

【中国海警局】尖閣沖、4隻すべてが機関砲を装備。76ミリ砲装備の「海警2501」ふたたび

20240608105802NHKより(現在はタイトルと本文がリライトされている)。「海警2201」(2019年9月15日発表の古い資料写真))

 

6月7日、中国海警局の船4隻が、日本の尖閣諸島の領海に侵入した。4隻は「海警2501」「海警2201」「海警2202」「海警2103」(*1)

「海警2501」(NATOコード : SHUOSHI II)が確認されたのは約4年ぶり。2021年1月に76ミリ砲を搭載した画像が発表され、その後、尖閣諸島の接続水域では確認されていなかった。(尖閣諸島の接続水域よりも外側の、東シナ海広くを航行していたことはある)

今回の事案では、中国海警局の船4隻はいずれも”砲らしきもの”を搭載しているそうだ。

海上保安本部によりますと、いずれも砲らしきものを搭載しているということです。
中国海警局の船は、4隻で航行する場合、そのうち1隻が砲らしきものを搭載しているケースが多く、今回のようにすべての船が搭載しているのが確認されたのは初めてだということです。
沖縄 尖閣沖 中国海警局の砲らしきもの搭載の船4隻 相次ぎ領海侵入 | NHK | 尖閣

尖閣諸島の沖を常態的に航行している中国海警局の船は2隻から4隻のグループを組んでおり、4隻のうち1隻が機関砲を装備しているのがパターンだった。4隻すべてで機関砲が確認されたのは初めて。
(*1)AIS情報をもとにした。いつもは八重山日報が尖閣沖で確認された中国海警局の船の船名・番号を報じているのでそれを参照しているんだけど、6月8日付け記事には載っていなかった。いつもの定型記事では無くなったので、書き忘れたのかもしれない。報道による裏付け待ち。

(追記6/9:八重山日報が6月9日付け記事で、中国海警局の船4隻は「海警2501」「海警2201」「海警2103」「海警2202」と報じた。(この順番としたわけは不明)

 

 

尖閣沖で警戒・警備にあたっている海上保安庁の巡視船の機関砲については、常識的な基礎知識な話なので、ここでわざわざ書かなくてもいいだろう。中国海警局の方を書いておきたい。

まず、尖閣沖でこれからずっと、機関砲を装備した中国海警局の船ばかりが航行するのか?というと、そうはならないと思う。現段階では、機関砲を装備する船はそれほど多くはない。選択的に集中して尖閣沖で運用するつもりなら出来るだろうが、台湾海峡や台湾島周辺の海域、朝鮮半島沖の黄海での運用に影響がでてくるだろう。

これから、まだ機関砲を装備していなかった「海警2502」や、海監型3000トン級や4000トン級への装備が進められるのかもしれない。

 

5000トン級の「海警2501」には76ミリ砲(H/PJ26H型76mm速射砲)が装備されている。

前回、尖閣沖で確認されたのは2020年5月。約4年ぶり。2021年1月に76ミリ砲を搭載した画像が発表されたあと、尖閣沖の接続水域で確認されたことは無かった。

20210123131137(NHKより)

【中国海警局】5000トン級「海警2501」、76mm機関砲を新たに装備 - pelicanmemo (2021-01-23)

【中国海警局】 4000トン級海警船に76mm機関砲を搭載か - pelicanmemo (2021-10-21)

【中国海警局】 ”海監型”3000トン級、「海警3302」に30mm機関砲2基か - pelicanmemo (2022-05-29)

中国海警局 カテゴリーの記事一覧 - pelicanmemo

 

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2000トン級の「海警2201」と「海警2202」はもと中国海軍の旧型のフリゲート(*2)だった船。退役して中国海警局へ移管されるときに100mm機関砲やミサイル発射装置など重武装を下ろして改修された。4基の37ミリ連装砲(76A式37mm連装機関砲(H/PJ-76A))が残された。

「海警2202」(もと海警31240)。

20170207063211(浩汉防务-微博)

(*2)053H2G 型ミサイル・フリゲート(江衛I型(江卫级I型)、ジャンウェイI型)、1991年~1993年に就役、2015年退役。中国海警局に移管されたのは3隻。「海警2201」(もと「海警31239」で、もと「539 安慶(安庆)」艦))、「海警2202」(もと「海警31240」、もと「540 淮南」艦)と「海警2203」(もと「海警31241」、もと「541 淮北」艦)。

 

「海警2201」の機関砲は、昨年(2023年)に25ミリ連装砲に換装されたようだ。

注意:NHKニュースが使っている「海警2201」の写真は「資料」で、海上保安庁第11管区海上保安本部が尖閣沖ではじめて「海警2201」を確認した2019年9月15日の古い写真が使い回されています。(画像検証はブログ記事末尾に書きました(*3)))

 

中国SNSで昨年11月、25ミリ砲4基と考えられる艦砲が搭載されている画像が公開された。37ミリ連装砲(76A式37mm連装機関砲(H/PJ-76A))の丸い形ではない、角張った形の機関砲となった。

20240607221652微博@水雷屋(2023-11-23)より。ブログ管理人がトリミングして機関砲の拡大画像など追加した)

20240607221707

20240607221715微博@水雷屋(2023-11-23)より)

中国陸軍の87型25ミリ連装高射砲の艦砲版で、湖や河川を哨戒する陸軍船艇部隊の529型巡視艇が装備している。古い機関砲なので、新型ではなく退役した軍艦から撤去された”中古品”が使われたようだ。

なぜ中国海警局の2000トン級「海警2201」の37ミリ連装砲が、より小さな25ミリ連装砲に交換されたのか?

中国ネット記事では、中国海警局へ移管されたときに火器管制レーダーが撤去されたため37ミリ連装砲が非常に使いにくく、ほとんど使われなかったという。
そこで中国海軍版CIWS(AK630, 730, 1130)に切り替えるには、導入コストが非常に高い上、古い船体には合わない。そこで、弾薬が陸軍と共通で低コストかつ中〜小型の陸軍艦艇で運用実績のある25ミリ連装砲が選ばれたのだろう、と推測されている。

火力越改越弱,海警舰拆除37毫米舰炮,使用成本过高还是弹药不够 - 舰闻杂谈 - 手机网易网

 

ロシアによるウクライナ侵略戦争で、水上艦艇に対する無人機・ドローンや無人艇による攻撃が注目されている。ふたたび火器管制レーダーを装備すればいいと思うけど、試験運用なのだろうか?陸軍の装備を選ぶあたり、海軍の装備に馴染みが薄いだろう人民武装警察部隊(武警)らしい選択と思う。

 

 

「海警2202」と「海警2203」の方は現在もまだ37ミリ連装砲4基のままだろう。

今年(2024年)2月下旬に、中国海警局が大陸沿岸に位置する台湾の金門島沖で行った”いわゆる”パトロール活動のとき、発表された画像では37ミリ連装機関砲が搭載されていた。

20240607221637(「海警2202」と「海警2203」)

20240607221634(先頭は福建海警の「海警14608」。2024年2月26日)

 

 

付け足しみたいになってしまった。

「海警2103」は1000トン級のもと漁政船。30ミリ砲(H/PJ17型単管30mm機関砲)を装備する。前の船名は、もと「海警33115」(もと「海警2104」(もと「漁政207」))。農業部による、新型1000トン級漁政船建造計画13隻のうちの1隻。

同型「海警37115」の就役したときの写真から。

20160806081951

【中国海警局】 1500トン「海警33115」、尖閣諸島の接続水域ではじめて確認 機関砲を装備 - pelicanmemo (2016-08-05)

 

 

(*3) NHKニュースの「海警2201」の資料画像について検証をしておきたい。

今回のNHKニュースで使われていた「海警2201」の画像と、「海警2201」(もと「海警31239」)がはじめて番号「2201」として確認された2019年9月15日の画像を比べてみると同じ画像ということが分かる。

20240607221605NHK(2024年6月7日)より)

20190917214314(海上保安庁, FNN(2019年9月15日)より)

【中国海警局】武装船の装備に変化 (海警2502、2302、1102、2201) - pelicanmemo (2019-09-18)

中国海警局 カテゴリーの記事一覧 - pelicanmemo

 

第11管区海上保安本部によりますと、日本の領海のすぐ外側にある接続水域を航行していた中国海警局の船4隻が、午前10時半ごろから南小島の沖合で、相次いで領海に侵入しました。

海上保安本部によりますと、いずれも砲らしきものを搭載しているということです。

中国海警局の船は、4隻で航行する場合、そのうち1隻が砲らしきものを搭載しているケースが多く、今回のようにすべての船が搭載しているのが確認されたのは初めてだということです。

沖縄 尖閣沖 中国海警局の砲らしきもの搭載の船4隻 相次ぎ領海侵入 | NHK | 尖閣

尖閣諸島沖 中国海警局の船4隻 相次いで領海に侵入|NHK 沖縄県のニュース (2024年06月07日 12時14分)

第11管区海上保安本部によりますと、尖閣諸島の南小島の沖合で中国海警局の船4隻が、7日午前10時半ごろから相次いで領海に侵入しました。

4隻は1時間半ほど領海内を航行し、午後0時半までに領海を出ました。

海上保安本部によりますと、いずれも砲らしきものを搭載していたということです。

海上保安本部によりますと、中国海警局の船は4隻で航行する場合、そのうち1隻が砲らしきものを搭載しているケースは多いということですが、今回のようにすべての船が搭載しているのが確認されたのは、初めてだということです。
(ブログ管理人注:記事のリライト後より引用。URLは同じ)

尖閣諸島沖 中国海警局の船4隻 1時間半ほど領海内航行し出る | NHK | 尖閣 (2024年6月7日 20時57分)

中国海警舰艇编队6月7日在我钓鱼岛领海巡航 - 维权执法 - (2024-06-07 10:00:00)

 

中国船4隻が領海侵入 尖閣周辺、すべて砲搭載は初 | 八重山日報 (2024/6/8)

「日本に武力行使の脅し」 中国船、尖閣周辺で武装強化 | 八重山日報 (2024/6/8)

(追記6/9)尖閣周辺に中国船4隻 170日連続航行 | 八重山日報 (2024/6/9)

 

尖閣周辺の領海に“砲搭載”の中国海警局の船4隻が侵入…全てに搭載確認は初|日テレNEWS NNN

尖閣諸島沖の領海に中国海警局の船4隻侵入、5月24日以来…今年に入り17回目 : 読売新聞

<速報>尖閣周辺、中国海警船4隻が相次ぎ領海侵入 今年18日目 - 産経ニュース

尖閣周辺に中国船 169日連続で国有化後の最長を更新 4隻すべてが機関砲のようなものを搭載 - 産経ニュース

 

 

中国海警局、尖閣諸島周辺で「今後パトロールを強化」「地域の平和を守る」と主張 - 産経ニュース

【北京共同】中国海警局は7日、沖縄県・尖閣諸島周辺を同日航行したのは中国の国家主権を守るためだと主張し「管轄海域でのパトロールを今後強化する」との報道官談話を発表した。

尖閣周辺でパトロール強化と中国海警局(共同通信) - Yahoo!ニュース

中国海警局新闻发言人就日方炒作我钓鱼岛维权巡航发表谈话 - 维权执法 -

2024-06-07 17:24:30

中国海警局新闻发言人甘羽表示,6月7日,中国海警2501编队在我钓鱼岛领海内依法开展维权巡航活动,这是我维护国家主权、安全和海洋权益的例行性行动,是我维护地区和平稳定、反制日方近期一系列消极举动的必要举措。钓鱼岛及其附属岛屿是中国固有领土,我们奉劝日方谨言慎行、反躬自省、停止挑衅,中国海警将依法加强在中国管辖海域的巡航执法力度,坚决挫败一切侵权挑衅图谋。

¯\_(ツ)_/¯

 

火力越改越弱,海警舰拆除37毫米舰炮,使用成本过高还是弹药不够|导弹|弹药|护卫舰|机枪|海警舰|舰炮|舰艇_手机网易网

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