pelicanmemo

海外の話が多め。近頃は中国が多め(中国海警局・中国海監、深海潜水艇、感染症など)。

【中国海警局】海警2201 が機関砲4基を撤去? それともまた船名が変更?

20190917214314(海上保安庁, FNN)

海上保安庁 第十一管区海上保安本部は3月30日午前11時ころ、沖縄県石垣市の尖閣諸島周辺海域で中国海警局に所属する艦船4隻が相次いで領海に侵入し、周辺を航行する日本漁船3隻に接近する動きをみせたと発表した。

その後、中国海警局の船のうち1隻が日本漁船1隻の動きに合わせて接続水域に出て、残りの3隻も4月2日午後7時45分までに接続水域に出た。領海への侵入時間は80時間36分で、尖閣国有化以降で最長となった。その中国海警局の船4隻は「海警1301」「海警1401」「海警1102」と機関砲を搭載した「海警1305」(*1)

 

海上保安庁の発表によると4月2日に、別の4隻と入れ替わるように交代をした。八重山日報の4月4日付け記事によると、4月3日に確認された4隻は「海警2102」「海警2201」「海警2301」と機関砲を搭載した「海警2204」(*2)。 しかし機関砲を搭載する船は「海警2401」だけとなっているが、「海警2201」(もと海警31239)は37mm連装機関砲4基を搭載していた。これについて少し。

接続水域では3日午後3時現在、「海警2102」「海警2201」「海警2301」と機関砲らしきものを搭載した「海警2204」の4隻が航行。海保は巡視船を配置し、領海に侵入しないよう警戒を続けている。

国有化以降で最長 侵入の中国船が退去 尖閣周辺 | 八重山日報 (2023/04/04)

20230404064940

 

これまで知られている「海警2201」の番号の船は、もと中国海軍の 053H2G 型ミサイル・フリゲート(江衛I型(江卫级I型)、ジャンウェイI型)「539 安慶( 安庆)」艦だった船だ。1992年7月に就役。2015年初旬に退役して中国海警局に移管され「海警31239」と改名された。退役時に100mm機関砲やミサイル発射装置などを降ろしたが、37mm連装機関砲4基は搭載したままだった。

20190917214322

 

現段階(この記事の公開時点)では次の可能性が考えられる。

(1)「海警2201(もと海警31239)」から37mm連装機関砲4基が撤去された。

(2)「海警2201(もと海警31239)」は転属あるいは退役し、ほかの機関砲を搭載しない2000㌧級の船が「海警2201」となった(海上保安庁から新しい2201の画像は今のところ発表されていない)。

(3)海上保安庁の発表に間違いがあり、4月3日に交代した中国海警局の船4隻は実は、「海警2301」「海警2102」と、機関砲を搭載する「海警2201」および「海警2204」だった。

 

もし3番目だとすると、尖閣沖で確認される中国海警局の船4隻のうち機関砲を搭載する艦船は基本的に1隻だったのが、機関砲を搭載する艦船は2隻となり中国側が対応を強めてエスカレートさせてきた可能性も考えられる。

4月5日や6日の報道では、機関砲を搭載した艦船は2204の1隻だけと報道されている。続報を待ちたい。

 

【中国海警局】 2000トン級「海警31239」領海に侵入 機関砲を搭載か 元海軍のフリゲート - pelicanmemo (2015-12-26)

中国海警局 カテゴリーの記事一覧 - pelicanmemo

 

Ads by Google

 


 

尖閣諸島の周辺海域では、「海警31239」は2015年12月20日に初めて確認され、「海警2201」としては2019年9月15日に初めて確認された。

【中国海警局】武装船の装備に変化 (海警2502、2302、1102、2201) - pelicanmemo (2019-09-18)

 

 

20190918201334

時事ドットコム海军360より引用)(注:「539 安慶( 安庆)」艦の画像は比較の為に左右反転させている)

 

同型の「海警31240」。37mm連装機関砲が分かりやすい。

20170207063211(浩汉防务-微博) 

20151225062140
海军360より)

 

 

中国海警局に所属する艦船の船番号(舷号)は、人民武装警察部隊への編入が発表される前の2019年の7月頃から徐々に変更してきている。その前後で船型やトン数がまったく違っているため、来歴や武装の有無が違う場合もあるので注意が必要だ。

当ブログではそれよりも前から中国海警局の船の情報を画像付きで詳しく載せています。舷号が変更された前のブログ記事(2019年7月以前)とその後とで船番号(舷号)を混同しないようご注意ください。

残念ながら、それをやらかしてしまった専門誌もありました…😞

【中国海警局】 船名・船舶番号、変更(2019年7月〜)。| 「海警6501」は直属第六局所属の5000トン級。 - pelicanmemo (2019-12-15)

【中国海警局】 『世界の艦船 2019年11月号』 ・・・「違う、 そうじゃないんだ。」 - pelicanmemo (2019-09-28)

 

(*1)
「海警1301」は、海監型3000㌧級「もと海警2307」、
「海警1401」は、4000㌧級「もと海警2401」、
「海警1102」は、1000㌧級「もと海警2101」、その前は漁業取締船「もと漁政201」、
「海警1305」は、漁政型3000㌧級「もと海警2303」。30mm機関砲を搭載する。

(*2)
「海警2301」は、海監型3000㌧級「もと海監2305」、
「海警2102」は、1000㌧級「もと海監2146」で、その前は「もと海監46」。
「海警2204」は、2000㌧級・718B型「もと海警33111」だろう。76mm機関砲を搭載する。

 

【中国海警局】 718B型「海警2204」初確認、76ミリ砲(H/PJ-26型76mm単管速射砲)を装備 - pelicanmemo

中国海警局 カテゴリーの記事一覧 - pelicanmemo

 

中国船4隻が領海侵入 操業中の日本漁船接近 | 八重山日報 (2023/3/31)
領海侵入3日連続 中国船、今年10日目 | 八重山日報 (2023/04/02)

中国公船、尖閣領海出る 侵入は過去最長80時間超に - 産経ニュース (2023/04/02)

中国海警局の船 領海出る 侵入80時間超え 尖閣諸島国有化以降で最長 | NHK (2023/04/02)

国有化以降で最長 侵入の中国船が退去 尖閣周辺 | 八重山日報 (2023/04/04) 

尖閣周辺に中国船 69日連続 - 産経ニュース (2023/04/04)

尖閣諸島(沖縄県石垣市)周辺の領海外側にある接続水域で4日、中国海警局の船4隻が航行しているのを海上保安庁の巡視船が確認した。尖閣周辺で中国当局の船が確認されるのは69日連続。

第11管区海上保安本部(那覇)によると、1隻は機関砲のようなものを搭載。領海に近づかないよう巡視船が警告した。

尖閣周辺に中国船4隻 69日連続航行 | 八重山日報 (2023/04/05)

第十一管区海上保安本部によると、石垣市の尖閣諸島周辺の領海外側にある接続水域では4日午後3時現在、中国海警局の艦船4隻が航行している。
4隻は「海警2102」「海警2201」「海警2301」と機関砲らしきものを搭載した「海警2204」。接続水域を含め中国艦船が航行するのは69日連続。

 

正直なところ、また船番号(舷号)やAIS情報が変更されるとなると、またたびメンドクサイのでやめてほしい。😬