(中国ネットSNSより)
10月23日、中国の広東省広州市で、交通運輸部海事局のはじめての1万トン級海事巡視船「海巡09」が就役した。
「海巡09」は、全長165m、型幅20.6m、設計排水量10700トン。満載排水量は13000トンで、中国海警局の満載排水量12000トンといわれる中国海警局の「海警2901」「海警5901(もと海警3901)」より大きな中国最大の海上法執行船となる。
日本メディアの報道とコメントでは、船の大きさとトン数の数字と、中国による海洋権益の確保とか、日本はじめ周辺国の安全保障と絡めて書いているようだ。船の大きさばかり注目するのではなく設備や能力に注目をすべきだろう。
「海巡09」は、世界ではじめてのスマート・シップ(智能船)である大型公船と発表されている。
「海巡09」はエンジンはじめ主要設備各所に設置された200近くのセンサーによって、船の状態がモニターされ診断と最適化による運転制御が行われる。大型商業船や科学調査船で導入され始めているもので、大型公務船(公船)でも導入された。いわゆる船舶IoT(船のインターネット、IoS(Internet of Ships))は、恐らく設計・建造のレベルから適用されているだろう。
この分野はこれからさらに注目され重要視されていく。
(中国ネットSNSより)
船内にはサーバーと海事データセンターが設置され、中国独自の衛星測位系統”北斗”GPSなど複数の衛星システムによるネットワークを構築し、ビッグデータを活用した宇宙から海までを一体化した統合的な海上交通や安全、法執行、救助活動が可能としている。
主機は4基のディーゼル発電機により30000kw強の発電能力をもつ。小さな火力発電所並の出力だ。
「海巡09」は機関砲は装備していない。よく注目される主要装備、ヘリや高速搭載艇や高圧放水銃やについては、進水時の記事で画像入りで詳しく書いたのでこちらを参照していただきたい。
中国、海事局の万トン級巡視船「海巡09」進水 満載排水量13000トン(追記あり) - pelicanmemo (2021-10-02)
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