pelicanmemo

海外の話が多め。近頃は中国が多め(中国海警局・中国海監、深海潜水艇、感染症など)。

現代自動車のEV「アイオニック5」、高速道路の料金所で衝突、炎上。搭乗者の死亡原因と、発火の原因と、車両火災の原因と。

20220621211644韓国経済新聞より)

6月4日の午後11時ごろ、韓国の釜山市の高速道路の料金所で現代自動車の電気自動車(EV)「アイオニック5」がトールゲートに衝突し、直後に火災が発生した。運転手と助手席の同乗者の人が死亡した。

朝鮮日報(日本語版)が「衝突から3秒で黒煙…現代自EVアイオニック5、火災で「熱暴走」」のタイトルで日本語の記事を公開したことで、「衝突から3秒で炎上」「逃げる暇も無く焼け死んだ」「低速での衝突でもバッテリーが発火」といったおかしなコメントを見かける。「電気自動車のバッテリー、怖い」というコメントは、気持ちはよく分かる。

朝鮮日報などの初期の記事の誤りについてと、衝突事故での死亡原因、衝突時の速度の推測、なぜEV「アイオニック5」のバッテリー・ユニットが損傷して発火し、なぜ炎上したのかについて少し調べてみた。

 

その朝鮮日報(日本語版)とそれを転載したYahooの記事はすでに削除されている(ネット・アーカイブ・サイトで読む事ができる)。

内容に問題があったのか・・・、あるいは現代自動車(ヒョンデ)は今年(2022年)日本へ再進出をしていて主力の一台が電気自動車(EV)「アイオニック5(아이오닉5)」だからだとみるのは勘ぐりすぎだろうか?

 

韓国の、事件事故調査を行っている国立科学捜査研究院(国科捜)からの公式発表はまだ出ていないが、大徳大学自動車学科のイ・ホグン教授が取材を受けて国科捜の初期の調査結果と見解を紹介していた。韓国の自動車関係のネット掲示板では、おおむねその見解が確からしいとして引用をされているようだ(もちろん全部を見たわけではありません)

이호근 대덕대 교수 "아이오닉5 부산 화재사고, 운전자 과실" - 디지털타임스

(追記:11月に韓国国立科学捜査研究院から衝突・炎上した「アイオニック5」の鑑定と捜査結果が発表された。ブログ記事の中ほどにまとめて追記しました)

 

(1)衝突時の速度は、時速90~100km
 朝鮮日報の記事では、警察関係者の見解として「車の破損度合いからすると高速で激突したとは考えられない」と書かれていたので、それをそのまま信じたコメントを多く見かけた。

時速60kmや時速30kmでは無い。

 

(2)運転手と助手席の同乗者の死亡原因は、車両火災ではなく、スピード・オーバーとシートベルト未装着によるもの。
 シートベルト未着用の警告音を出さないようにする「シートベルト警告音キャンセラー」を使っていた上、助手席のシートは後ろにすっかり倒されて横になっていた。また、剖検の結果、死者2人の呼吸器からすすや煤煙は確認されなかった。火災発生時にはすでに死亡していた可能性が高い。

 

(3)事故調査官によると、衝突から1〜2秒で爆音とともにボンネット付近から火の手が上がった。約15分後に消防車が到着した時には、車内にまで燃え広がっていた。
 しかし、現代自動車の電気自動車(EV)「アイオニック5」のリチウムイオン電池はキャビン床下に薄く広く設置されている。ボンネットには無い。

20220621205558現代自動車より)

最初に爆発的に発火した原因はリチウムイオン電池への衝撃で、長時間鎮火しなかったのはバッテリーの熱暴走でも、車両炎上はバッテリーだけが原因とは限らない。

現代自動車の公式発表では、衝突時に室内とバッテリーへの衝撃が緩和されるよう安全性を考慮した構造が採用されている。

続いて、(1)と(3)に関連してもう少し詳しく検証してみよう。

 

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「トップガン マーヴェリック」はファンタジー、スターウォーズで中世騎士英雄物語。

「トップガン マーヴェリック」。日本公開から2週間たったので、明らかなネタバレはしないけれども内容に関わる感想など少々。

まだ見ていなくて、思わせぶりなキーワードも目にしたくない方はここでお帰りください。

 


映画『トップガン マーヴェリック』レディー・ガガ主題歌予告 - YouTube

 

念のため改行。

10

 

 

 

 

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【中国海警局】 ”海監型”3000トン級、「海警3302」に30mm機関砲2基か

20220524213814

中国海警局に所属する艦船のうち、これまで機関砲を搭載していなかった3000トン級に30mm機関砲が搭載されたようだ。画像が微博で公開された。

外見から30mm機関砲、中国海警で導入実績があるNORINCOのH/PJ17型单管30mm速射砲かもしれない。

20220524213920

#南海维权巡航专项# 海警大势所趋,又... 来自海洋装备与公务船资讯 - 微博

 

舷側の船名・番号は「海警3302」。中国海警局が正式に発足する前の、国家海洋局 中国海監総隊の海洋監視船建造計画で建造された3000トン級(以下、”海監型”3000トン級)10隻のうちの1隻で、南シナ海を管轄する南海総隊に所属する(前の船名・番号は「海警3307」)

2018年7月に中央軍事委員会の指揮を受ける人民武装警察部隊の海警総隊(中国海警局)となってからは、南シナ海の北部海域を主に管轄する直属第3局(広東省広州市)に所属している。

 

今年(2022年)2月に行われた中国海警局の艦船による海上防災訓練の時には、機関砲は載っていなかった。

20220525204127

海警3302舰编队,056首次出镜: 来自撒手锏_ - 微博 (2022-02-14)

 

この”海監型”3000トン級10隻のうち数隻が、沖縄県石垣市の尖閣諸島の接続水域や領海で確認されているが、機関砲を搭載した艦はいまのところ確認されていない。

 

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【中国海警局】 遠隔監視採証装置 | 尖閣諸島沖、これまでもカメラは日本漁船の方を向いていた。

20220512193235八重山日報より)

海上保安庁 第十一管区海上保安本部によると、5月9日朝7時頃、中国海警局に所属する船舶2隻が尖閣諸島の南小島周辺で日本の領海に侵入した。日本漁船1隻に近付こうとする動きをみせた。海上保安庁が漁船の周辺に巡視船を配置して漁船乗員の安全を確保した。

日本漁船は八重山漁協所属の漁船「鶴丸」(9.6㌧)。尖閣諸島沖での漁業活動もため、石垣市議の仲間均氏など3人が乗船していた。中国海警局の船2隻が漁船「鶴丸」が接続水域に入ってから出るまで約36時間追尾したそうだ。

中国海警局の船2隻は「海警1302」と「海警1401」(どちらも機関砲は搭載していない)。10日12時過ぎに約29時間ぶりに領海を出た。

中国船が領海から出る 尖閣周辺に25日連続 | 八重山日報 (2022/5/11)

 

仲間均 石垣市議のツイッターと、八重山日報ほかのマスメディアの記事・動画によると、「海警1302」の船上では中国海警局の船員2人が一眼カメラを構えている姿が写っている。

日本漁船にカメラ構える 中国船、尖閣周辺で執拗に追尾 | 八重山日報 (2022/5/11)

 

仲間均 石垣市議はこれについて「また今回から海警もこちらを撮影してきました」とツイッターで書いていた。これについて少し。

仲間均 on Twitter: "ここしばらく海警は近寄って来ませんでしたが今回は近くまで接近して威嚇してきました。また今回から海警もこちらを撮影してきました。明らかに今までとは違う動きです。… "

 

 

中国海警局など海上法執行組織の船舶には、海上保安庁の巡視船に搭載されている「遠隔監視採証装置」と同じような装置がある。今回も、そのカメラのレンズは「鶴丸」の方を向いている。静止画や動画で撮影していただろう。

次の画像は、仲間均石垣市議が乗った漁船「鶴丸」から撮影した動画のスナップショット画像で、四角い赤枠など書き加えた。「海警1301」の船橋の上に2つある「遠隔監視採証装置」の、特に左舷のレンズが常に漁船の方を向いていることがわかる。

20220512060049

昨年も、中国海警局に船に装備されている遠隔監視採証装置のレンズは日本漁船等の方に向いていたので、これまでも日本漁船などの撮影は行われていただろう。

今回、わざわざ人間が甲板上に出て一眼カメラを構えていたのは、単に船舶の撮影をするだけではない何か特別な理由があったと考えられる。🤔

 

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【アフリカ豚熱】イタリア、ローマ市近郊で初確認 感染地域ゾーニング【ASF, アフリカ豚コレラ】

20220508160841

2022年5月4日、ローマ市の北西にあるインスゲラタ自然保護公園で、イノシシからアフリカ豚熱(ASF、旧称:アフリカ豚コレラ)ウイルスが確認された。

5月6日、ラツィオ州(州都はローマ市)は専門家グループによる報告により、法律に基づいてアフリカ豚熱(ASF)のウイルスを封じ込めるための最初の規制措置を決定した。ニコラ・ジンガレッティ州知事が署名をした。
(注:アフリカ豚熱(ASF)は、イタリア語では"PSA(Peste Suina Africana)" (直訳:アフリカ豚ペスト)と書く。ここでは英語の略語の"ASF(African Swine Fever)"を使用する。)

 

前の記事でも書いたように、ローマの今回のASF発生の確認は、イタリア北西部から中部のローマ市までASFが感染拡大したという意味では無い。イタリア北西部のASF発生地域(ピエモンテ州とリグーリア州(記事公開時点))から400kmも離れている。

【アフリカ豚熱】イタリア、ローマ市近郊で初確認 インスゲラタ自然保護公園で【ASF, アフリカ豚コレラ】 - pelicanmemo (2022-05-07)

 

アフリカ豚熱(ASF)の発生地点を中心にウイルスを封じ込めるための地域のゾーニングが、ローマでも行われる。「暫定感染地域 (zona infetta provvisoria)」が設定され、その外側に緩衝(バッファ)として「注意地域(zona di attenzione)」が設定された。
(「レッドゾーン(zona rossa)」には、「暫定感染地域 (zona infetta provvisoria)」や「感染地域 (zona infetta)」という表現も使われている。)

(イタリア中部、ローマ市と近郊のこの地域のこと↓)

20220508160831

 

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