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海外の話が多め。近頃は中国が多め(中国海警局・中国海監、深海潜水艇、感染症など)。

【中国海警局】 『世界の艦船 2019年11月号』 ・・・「違う、 そうじゃないんだ。」

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『世界の艦船2019年11月号 現代海軍と島嶼争奪戦』で、中国海警局の船についての「中国海警局の新顔「海警」 相次いで尖閣沖へ!」という記事が載っている。

 

当ブログ管理人、この記事を ワクワク😃しながら読んだとき、書店店頭で思わず声をもらした。

「違う...、 そうじゃないんだ。」😖

 

尖閣諸島沖を遊弋し続ける中国海警局の哨戒船(海警 Haijing)は、主に北海や東海分局に所属する2〜4席がセットとなって随時交代しているので、補給や乗員の休養が終えると同じ海警が繰り返しやってくるが、時折、新顔の混ざることがある。従来のそ頻度はさほど多くなかったが、去る8月中旬から下旬にかけて、一挙に7隻もの新顔が姿を見せた。また最近の新顔には竣工して間もない船が多いのも特徴で、5〜6年前から中国が積極的に進めている哨戒船隊の整備増強計画が完成に近付いているのかもしれない。

『世界の艦船』2019年11月号 p.66~67より
(赤字強調は管理人による)

違う...、そうじゃないんだ。😖

7隻とも、新顔じゃないんですよ。

 

「世艦、やっちまったかー」😫 とも感じた。

当ブログでは、『世界の艦船』が言うところの「新顔7隻」について、写真を使って解説記事を書いている。ご参照ください。

この記事では、もう少し書いてみたい。

世界の艦船 2019年 11 月号 [雑誌]

世界の艦船 2019年 11 月号 [雑誌]

 

  

【中国海警局】領海侵入のニュースの裏側 | 海警局の船に再編成の動き (海警1302, 1103, 2102, 2203) - pelicanmemo (2019-08-18)

【中国海警局】海警局の船に再編成の動き | 番号の変更はほかの船でも (海警2501, 1301, 1305, 14603) - pelicanmemo (2019-09-03)

中国海警局 カテゴリーの記事一覧 - pelicanmemo

 

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中国海警局の船の番号には、ルールがあった。(過去形)

船名が「海警ABCD」と4ケタの場合、1つ目の数字 "A"は、北海分局に所属する船は「1」、東海分局は「2」、南海分局は「3」を示していた。2つ目の数字"B"は船のトン数を表す。
たとえば「海警2305」は、東シナ海を管轄する東海分局に所属する3000㌧級の海警船だった。

 

この船首番号(舷号)のルールが変わってきている。(現在進行形)

残念ながら、『世界の艦船』2019年11月号の記事では、その最新情報が反映されていなかった。

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「海警1301」について、次のように説明している。

海警1301
(略)
本船は前出の1302と同型で、所属も同じ北海分局である。このタイプはヘリコプターを1機搭載するほか遠隔操作の30ミリ機銃も装備するといわれるが、それらしいものは見かけない。

違う...、そうじゃないんだ。🙄

船のタイプを取り違えている。

 

続いて、「海警1305」について、次のように説明している。

海警1305
北海分局所属の3000トン型で、出現年も上掲の1301と同記事だが、全長が10メートルほど短い。各分局に計10隻配備されており、最終的には20隻建造とも言われている。無武装とする資料もあるが、、御覧のように前甲板に遠隔操作式の機銃(30ミリPJ-15型?)を備えている

違う...、そうじゃないんだ。

前の1301が無武装の「海監型」3000トン級で、この1305は機関砲を装備する「漁政型」3000トン級なんだ。🙄

機関砲は"30ミリPJ-17型"だ。

船体をよく確認してから書いてほしかった。

 

中国海警局の、新型の3000トン級海警船には2種類ある。

再編統合される前の、国家海洋局中国海警総隊で計画建造していた「海監型3000トン級」と、農業部漁政局が計画建造していた「漁政型3000トン級」の2種類がある。

「海監型3000トン級」は10隻が建造され、機関砲など固定武装は持たない。
「漁政型3000トン級」は12隻が建造され、30mm機関砲(NORINCOのH/PJ17型单管30mm速射砲。)を装備している。

どちらの型とも計画された全数が正式配備された。
(新型といっても5年以上前。 海監型・漁政型は、公式の名称でなく、中国ネット掲示板でそういう呼ばれ方をしていた)

 

船体も装備も大きく違っている。

ただ、真横から撮影した画像では、遠目には分かりにくいかもしれない。

写真で、2019年8月に海保から公表された「海警1301」(海監型3000トン級)(上)と、2015年に中国メディアで報道された「海警1301」(漁政型3000トン級)(下)とを見比べてみよう。

ひと目で分かりやすいポイントは、船首の錨を固定する「錨孔」の形と、船橋構造物の「マスト」だろう。

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「海監型3000トン級」(非武装)錨孔は"水平"の四角の形で、マストは斜めのトラス構造。「漁政型3000トン級」(30mm機関砲装備)錨孔は"斜め"の四角の形で、マストは垂直の一体構造だ。

 

 

「海警1301」「海警1302」と同型船の、漁政型3000トン級の武装については次の記事で、写真付きで詳しく書いた。

【中国海警局】 漁政型3000トン級「海警2302」 30mm機関砲を装備 - pelicanmemo

 

以前の「海警1305」、海監型3000トン級の船体や装備については次の記事ほかが参考になるだろう。

【中国海警局】 3000トン級「海警1305」、尖閣沖で初確認。 海警2305などの同型船 - pelicanmemo (2018-07-31)

  

残念ながら、『世界の艦船』2019年11月号では、以前の船首番号のルールだけをもとにして、船のタイプを勘違いして、解説してしまっている。

一方で、「海警2203」の解説では、

(略)
海上保安庁が以前に確認した際は、3隻とも船番号が5桁(31239、31240、31241)だったが、写真の船はなんらかの理由で4桁に改めており(3隻のいずれかは不明)、ある意味で新顔といえる。

と書き、「海警14603」の解説では「従来伝えられている方法では船番号を読めとけないので(以下略)」とも書いている。 

船番号が変わっている例があることを分かっていながら、ほかの船で船番号が変わっている可能性を考えず、調べなかったのは、残念ながら想像力が足りなかったと言わざるをえない。

今後も良い記事を期待している。

 

 

ちなみに、「海警14603」は海南省の所属ではなく、福建省の「もと 海警2166(もと海監66)」と推測している。

【中国海警局】海警局の船に再編成の動き | 番号の変更はほかの船でも (海警2501, 1301, 1305, 14603) - pelicanmemo (2019-09-03)

 

海監型3000トン級や漁政型3000トン級は、ヘリ甲板とヘリ格納を持ち、ヘリ搭載が可能だが、これまでに搭載ヘリについての発表や報道は、当ブログ管理人は見かけたことがない。 続報を待ちたい。

 

【中国海警局】 3000トン級「海警1306」、尖閣沖で初確認 海上保安庁の尖閣警備専従部隊と写真で比較 - pelicanmemo (2018-08-26)

【中国海警局】 3000トン級「海警1307」、尖閣沖で初確認 北海分局の3隻目の3000トン級 - pelicanmemo (2018-10-14)

【中国海警局】3000トン級「海警1301」に機関砲を装備 ヘリ搭載の漁政型海警船: メモノメモ (2015年01月04日)

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世界の艦船 2019年 11 月号 [雑誌]

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