昨日、中国海警局カテゴリーのブログ記事を書いていて、「中国は ...「九段線」という国際法を無視して一方的に決めた境界線を・・・」と書いたけれども、やっぱり違和感がある。
「九段線」という"用語"はともかく、中国政府・行政組織が公式に10本目を載せた地図を公開しているので実情とは違っている。書きそこねていたネタ。メモ。
「九段線(Nine-dash Line)」という"用語"だと割り切って使ってきたけれども、「それって南シナ海の話で、日本とは関係のない話なんじゃない?」と誤解してイメージされそうだ。
別に新たな知見というわけではない。中国の地図やパスポートの透かしに10本目が記されている。2014年にアメリカ合衆国国務省の公式レポートもあるし、日本メディアでも報道されている。
中国当局の認可によって2014年6月に新たに発行された中国の“公式地図”。「九段線」は台湾東岸に破線が1本加わり、何と知らぬ間に「十段線」へと進化を遂げていた=2014年6月27日、中国・湖南省長沙市(AP)
--(追記:2023/09/03)----------------
SankeiBizのサービスが終了していたため、引用した記事「静かに「九段線」を論破 中国は猛反発 - SankeiBiz(2014.12.16付)」は閲覧できなくなっていました。
ウェブアーカイブ・サイト archive.org で保存されていましたので、そちらを参照してください。
(archive.org) | 静かに「九段線」を論破 中国は猛反発 (1/4ページ) - SankeiBiz(サンケイビズ)
--(追記ここまで)------------------
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中国、国土交通部海事局のウェブサイトより。
中華人民共和国の領土と、中国が領土と主張している台湾本島や尖閣諸島、それと、いわゆる九段線と南シナ海の多くの島嶼が記載されている。(この直属海事組織の地図の中で、湖南省だけが白色な理由は分からない)
台湾本島の東側に、10本目の「九段線」が記されている。その右斜め上には尖閣諸島が載っている。
2014年5月に米国国務省が発表したレポートの、いわゆる「九段線(Nine-dash Line)」の地図。1947年(昭和22年)の、中華民国(台湾)が主張していた「十一段線」の地図の線との位置関係の比較をしている。中華人民共和国(中国)はベトナムとの間で北部湾(トンキン湾)の海洋の境界策定で合意したのでその海域の2本を減らした。
Limits in the Seas - U.S. State Department
(pdf) Limits in the Seas | No. 143 | China:Maritime Claims in the South China Sea
台湾本島の東側、日本の沖縄県の与那国島のすぐ西に、いわゆる「九段線」の10本目が記されている。この資料によると、10本目が通っているのは日本の領海ぎりぎり(領海内?)。