pelicanmemo

海外の話が多め。近頃は中国が多め(中国海警局・中国海監、深海潜水艇、感染症など)。

【中国海警局】818型「海警2303」「海警2305」、尖閣沖で初確認 今回は4隻とも76ミリ砲を装備

20241208200950八重山日報より)

海上保安庁 第十一管区海上保安本部によると、12月7日、尖閣諸島の接続水域を中国海警局に所属する艦船4隻が航行している。八重山日報(12月8日付け)は、4隻は「海警2501」「海警2305」「海警2303」「海警2204」と報じた。

 

「海警2501(台州艦)」は5000トン級、「海警2303(梅山艦)」と「海警2305(秀山艦)」は3000トン級・818型、「海警2204(六横艦)」は2000トン級・718B型。

4隻とも76ミリ砲を装備している。尖閣沖でこのパターンが確認されたのははじめて。

818型海警船「海警2303」「海警2305」は、今年(2024年)10月に北極海を初航行した船で、このタイプが尖閣沖で確認されたのもはじめてだ。

 

第十一管区海上保安本部によると、尖閣諸島(石垣市)周辺の領海外側にある接続水域では7日、中国海警局の艦船4隻が航行している。尖閣周辺で中国艦船が航行するのは19日連続。
 4隻は「海警2501」「海警2305」「海警2303」、「海警2204」で、いずれも機関砲らしきものを搭載している。海保の巡視船が領海に侵入しないよう警告し、監視警戒を続けている。

尖閣周辺に中国船4隻 19日連続航行 | 八重山日報 (2024-12-08)

 

ちなみに、前日の12月6日午後に、中国海警局の船4隻が尖閣諸島の領海に浸入している。約2時間航行した後に接続水域に出た。この4隻は「海警1305」「海警1107」「海警1105」「海警1303」八重山日報
AIS情報では、12月6日夜10時過ぎには「海警2501」「海警2305」「海警2303」「海警2204」は尖閣沖の海域にいたBluesky。海上保安庁からの発表で確認が必要だが、12月6日の夕方から夜にかけて入れ替わるように4隻が交代したと思われる。

(追記12/10:海上保安庁からの発表によると、12月6日に接続水域を航行したのは8隻、領海に浸入したのは4隻だった。入れ替わるように4隻が交代した)

【中国海警局】北極海をはじめて航行 (追記あり) - pelicanmemo (2024-10-07)

中国海警局 カテゴリーの記事一覧 - pelicanmemo

 

Ads by Google

 


 

20240916185422(海警2303、中国海警局 公式サイトより)

3000トン級・818型海警船(NATOコード:ZHAODUAN WPS)は、中国海軍の054型(ジャンカイI型/江凱I型)フリゲートの船体をベースにして6隻が建造された。現在、東シナ海を管轄する直属第2局(上海市)に3隻(海警2303、海警2304、海警2305)、南シナ海を管轄する直属第5局(海南省三亜市)に3隻(海警5303、海警5304、海警5305)が配備されている。

最初の1隻「海警46301(現・海警5303)」が進水したのは2016年5月。同型6隻は順次進水して配備されていたが、これまで尖閣沖には派遣されていなかった。近頃、中国は、ロシアとの共同訓練など遠洋での運用を積極的に進めてきている。

直属第2局のもう1隻の818型「海警2304」も、いずれ尖閣沖で確認されるのだろう。

 

818型海警船の諸元は発表されていない。

 

20241208202656

米国の海軍大学や海軍情報局では、全長138m、全幅16.0m、喫水5.0mと見積もられている。建造当時に中国ネットSNSで流れていた画像では、054型(ジャンカイI型/江凱I型)フリゲートと同じ、全長132m、全幅15.0m、喫水5.0m、(満載)排水量4000トンとしていた。

中国海警局の船のトン級数(たとえば”3000トン級”)は、基本的には、満載排水量ではなく基準排水量をもとにして規定される。

 

 

 

20240919065104(中国海警局とロシア国境警備局による共同訓練より)

818型は、76ミリ砲(H/PJ-26型76mm単管速射砲)のほかに、ヘリ格納庫の上に近接防空火器システム、630型CIWS(H/PJ-13型6管30mm砲)2基が装備されている。

20240916185647(管理人がトリミングをした)

20240920060429(中国海警局とロシア国境警備局による共同訓練より)

ヘリ甲板と、直9(Z-9)型やその民間型のH425型ヘリコプター1機を収容できる格納庫をもつ。ロシア国境警備局との合同訓練(2024年9月~10月)で、818型2隻が搭載したヘリ2機が使われている。
その他、高圧放水銃や電光掲示板(停船命令等表示装置)など海上法執行任務に定番の装備がある。

20240916185417(海警2305)

 

中国海警局はさらに、054A型(ジャンカイII型/江凱II型)フリゲートがベースとされる新型の3000トン級海警船を建造している。(基準排水量をもとに3000トン級と規定されている。海軍の054A型フリゲートの満載排水量は4000トンを越えている)

今のところ3〜4隻が確認されている。8隻以上という情報もある。 

 

新型海警船(054A型(ジャンカイII型/江凱II型)フリゲートがベース)

20241208204257

818型海警船(054型(ジャンカイI型/江凱I型)フリゲートがベース)

20241208204301

米国海軍情報局(ONI)が作成した、中国海警局などの船型一覧より

CHINA COAST GUARD AND GOVERNMENT MARITIME FORCES  - 2024 RECOGNITION AND IDENTIFICATION GUIDE (pdf)

China's Naval Capabilities

江凱型フリゲート - Wikipedia

 

【中国海警局】ロシア国境警備局と合同訓練・パトロールへ、818型「海警2303(梅山艦)」「海警2305(秀山艦)」出港 - pelicanmemo (2024-09-16)

【中国海警局】ロシア国境警備局と共同訓練を実施 ロシア極東のウラジオストク沖 - pelicanmemo (2024-09-20)

【中国海警局】ロシア国境警備局と、北太平洋の公海上で共同訓練と共同パトロールを実施 - pelicanmemo (2024-09-30)

【中国海警局】北極海をはじめて航行 (追記あり) - pelicanmemo (2024-10-07)

【中国海警局】「海警2303(梅山艦)」「海警2305(秀山艦)」、帰港 | ロシア国境警備局との共同訓練・パトロールなど終了 - pelicanmemo (2024-10-20)

 

 

尖閣周辺に中国船4隻 19日連続航行 | 八重山日報 (2024-12-08)

中国船4隻、2日連続侵入 尖閣周辺、今年42日目 | 八重山日報 (2024-12-07)

沖縄 尖閣沖 中国海警局の船4隻が一時領海に侵入 | NHK | 沖縄県 (2024年12月6日)

中国海警舰艇编队12月6日在我钓鱼岛领海巡航 - 维权执法 - 中国海警局 (2024-12-06 15:29:00)

 

12月5日にも、日本漁船による尖閣沖での操業に対して、中国海警局の船が尖閣諸島の領海に浸入した。報道では中国海警局の船は2隻と報じられていた。

海上保安庁の「尖閣諸島接近(接続水域入域・領海侵入)状況 -令和6年12月- (12/5現在)(pdfファイル)」によると、12月5日に領海に浸入した中国海警局の船は3隻だった。

八重山日報は12月6日付け記事で「海警1105」「海警1303」の2隻と伝えていた。ただ残念なことに、この記事は「海警1105」を重複して書いてしまっている。実際に領海進入した3隻がどれだったのか、はっきり確認はできない。

中国船2隻が領海侵入 尖閣周辺、日本漁船追う | 八重山日報 (2024-12-06)

中国海警依法驱离日非法进入我钓鱼岛领海船只 - 维权执法 - 中国海警局 (2024-12-05 08:48:04)