pelicanmemo

海外の話が多め。近頃は中国が多め(中国海警局・中国海監、深海潜水艇、感染症など)。

映画「空母 いぶき」|【地図】島嶼国家・カレドルフはどこにあるのか?

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第5護衛隊群かく戦えり -女子部-(映画『空母いぶき』より)第一章 - YouTubeより)

公開間近の映画「空母 いぶき」。

原作では、海上自衛隊の空母「いぶき」と第5機動艦隊と戦闘となっているのは、中国の人民解放軍海軍の北海艦隊の空母「広東」と機動部隊(原作の〜12巻より)

一方、映画「空母 いぶき」では、相対するは、仮想の島嶼国家「カレドルフ」と国家共同体「東亜連邦」の空母「グルシャ」と機動部隊となっている(「空母いぶき」ボイスドラマより)

(追記:6月1日)

映画「空母いぶき」|東亜連邦とカレドルフと建国の歴史に関する一考察 - pelicanmemo

(追記ここまで)

 

 

「島嶼国家カレドルフ」と国家共同体「東亜連邦」は、「空母いぶき」ボイスドラマ第一章で、次のように説明されている。

東アジア海域における領土争いは激化していた
フィリピン共和国の北東400海里に位置する島嶼国家・カレドルフ
大国の干渉を嫌う周辺地域の国々と結束し
東亜連邦と名乗る国家共同体を設立した。
東亜連邦は過激な民族主義を燃え上がらせ
領土回復を主張して公海上に軍事力を展開。
日本近海でも軍事衝突の危機が高まりつつあった。

島嶼国家・カレドルフ(以下、カレドルフ国とも書く)は、フィリピン共和国の北東400海里(約740キロメートル)に位置するそうだ。

カレドルフ国の想定位置を、GoogleEarth上で描くとこうなるだろう。

(追記:波留間群島初島は、沖ノ鳥島西方450キロだそうだ。地図を修正しました。

クリスマスイブ前日の未明。沖ノ鳥島西方450キロの波留間群島初島に国籍不明の武装集団が上陸する。

「空母いぶき」が伝える現実の「専守防衛」とは - 日刊スポーツ

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原作のマンガ「空母いぶき」のように、尖閣諸島と魚釣島をイメージするかもしれないが、東シナ海の話にはなりにくい。

 

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--(追記:5/22)--------------------

映画の公開直前なので、あまり事前情報は仕入れないようにしているんだけど、

俳優のインタビューならいいかな?と、たまたま見たスクリーン誌の記事に、戦闘指揮所(CIC)の画像が使われていた。現場海域の地図が載っている。

20190522123418スクリーンオンラインより)

 

これが、島嶼国家・カレドルフか?

 

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もしそうなら、大きさは沖縄本島くらいでかなり小さい。
シンガポールのような交通の要衝というわけではなく、香港やマカオのように中国大陸との移動が多いわけでもないだろう。建国の歴史を知りたいものだ。

戦後最大の危機を迎えた日本の“24時間”を壮大なスケールで描いた映画『空母いぶき』 西島秀俊×佐々木蔵之介インタビュー - スクリーンオンライン

--(追記ここまで)------------------

 

もちろん現実には、フィリピン海にこのような島嶼は存在しない。

ある程度の大きさの人口と経済規模が必要だろうから、それらの島嶼は、沖縄本島くらいの大きさではなく、九州や台湾本島のような大きめの島々があると想定される。

フィリピンEEZに実在するベンハム堆のような、大きな地質構造が、フィリピンの北東740kmあたりに拡がっていて、かなりの面積が水面上にあると考えてみた。

 

「波留間群島(仮想)」という名前は、八重山諸島の「波照間島(現実)」をイメージさせる。そこで、八重山諸島をはさんで、尖閣諸島(現実)と正反対あたりに置いてみた。

空想上の島なので、どこに置いてもいいんだけど・・・、沖縄本島に近くなると在日米軍を無視するのは難しい。沖ノ鳥島くらいに遠かった場合は、もし「空母いぶき2」が制作されることになった場合、多良間島の占領や後方レーダー基地・空港の奇襲攻撃とそれらへの反撃というシナリオが使いにくい。

(追記(いきなり):沖ノ鳥島西方450キロだそうだ。😂 「空母いぶき」が伝える現実の「専守防衛」とは - 日刊スポーツ

 

領土回復を主張し、日本の領土の「波留間群島の初島(仮想)」を占領したのだそうだ。 

島嶼国家カレドルフも、第二次世界大戦・太平洋戦争の時代には、大日本帝国の占領下にあったと考えられる。サンフランシスコ講和条約から沖縄返還によって、「波留間群島(仮想)」も日本の領土として復帰したのだろう。

多分、カレドルフ国は、「“波留間群島”は太古から我が国の領土である」と主張して、古地図を作ったりいろいろな歴史資料を作っているのではないだろうか?🙄

 

 

国家共同体「東亜連邦」が輪をかけてわけが分からない。🙄

フィリピンは共和国として存在しているので、マレーシアやインドネシアも独立国なのだろう。

「東亜連邦」には東南アジアの国々、特に海洋国家のフィリピンやマレーシア、インドネシアなどが含まれると思うけど、それらを結束させて「激しい民族主義」の下地となるような歴史的・政治的な背景を考えるのが難しい。

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「東亜連邦」という名前から、大日本帝国時代の「大東亜共栄圏」がイメージされる。太平洋戦争(大東亜戦争)終結後も、その残滓が表に裏に残りつづけていて、特にカレドルフ国で原理主義的になったと空想することは出来るけれども、SNS・ツイッターの直感的な書き込みならともかく、ブログ記事でネタにするのはちょっと危ない。

 

むしろ、島嶼国家カレドルフは、実は、太古に大陸があって沈んだ残りなのだと考えてみたら、ちょっと面白い。

これなら、「東亜連邦」の結束の下地となる民族や宗教をネタとして想定できそうだ。

東南アジアの国々、東アジアから太平洋地域の広い海洋地域で、歴史の表舞台に登場することなく、太古の時代から深く静かに残っていた。

そうだ! 島嶼国家カレドルフは、ムー大陸の末裔だったのだ!😅

 

ただ、この線で進めていくと、

艦長が「しまった、孔明の罠か」と叫んだり、スパロウ隊やターキー隊の発進シーンでは「ジャーン、ジャーン、ジャーン」と銅鑼の音が鳴ったり、ロプロスが戦闘機を落として、ポセイドンが潜水艦を沈めてしまいそうな・・・😅