pelicanmemo

海外の話が多め。近頃は中国が多め(中国海警局・中国海監、深海潜水艇、感染症など)。

【中国海警局】「海警1105」(もと海警31101)、7年ぶりに尖閣沖で確認 | 近代化改修が行われたか?

20230906191131

尖閣諸島の接続水域で9月5日、、中国海警局に所属する艦船4隻が確認された。約1ヶ月ぶりに前の船隊グループ4隻と交代した。

海上保安庁の発表では4日に「海警1302」1隻だけが接続水域で確認されていた。八重山日報の記事(9/6付)によると、新たに接続水域で確認された4隻は「海警1302」「海警1102」「海警1103」と機関砲を搭載する「海警1105」。

尖閣周辺に中国船4隻 32日連続 | 八重山日報 (2023/9/6)

 

八重山日報の記事には”尖閣周辺で「海警1105」は初めて確認された。”と書かれているが、この番号は初めてでも、この船が確認されたのは初めてではない。「海警1105」は前の船名・番号が「海警31101」で、2016年8月に中国海警局など公船18隻や中国漁船が200隻以上が尖閣沖に現れた事案や、その翌月・翌々月にも尖閣周辺で確認されている。

 

「海警1105(もと海警31101(もと海警1001))」が尖閣諸島沖で確認されたのは7年ぶり。新しい「海警1105」の写真が海上保安庁から公開されたので見比べてみたい。

(余談。「海警1302」は3000㌧級で以前の舷号(船名)は「海警2308」。「海警1102」と「海警1103」は1000㌧級でもと「海警2101(もと漁政201)」ともと「海警2102(もと漁政202)」)

 

20160807073847

尖閣諸島周辺海域における中国公船及び中国漁船の活動状況について 平成28年8月16日 - 首相官邸 (pdfファイル)

尖閣諸島周辺海域における中国海警局に所属する船舶等及び中国漁船の活動状況について - 海上保安庁


  【中国海警局】 尖閣諸島で確認された中国の公船18隻(8月4日〜16日)、まとめ 辺防海警、漁政、緝私、海監など - pelicanmemo (2016-08-07)

中国海警局 カテゴリーの記事一覧 - pelicanmemo

 

Ads by Google

 


 

「海警1105(もと海警31101)」は、もともとは2007年に正式配備された公安部の上海辺防海警総隊の旗船、1000㌧級1番船「海警1001」だった。全長92.59m、全幅12m、満載排水量1617トン。

番号から分かるように、当時は上海辺防海警ですら1000㌧級のパトロール船を持っていなかった。

中国海警局が正式に発足したあとは上海の地方海警部隊の所属だったが、人民武装警察部隊・海警総隊(中国海警局)の組織改変によって直属第一局(上海)の所属となり船名・番号が「海警1105」に変更された。

 

「海警31101(現・海警1105)」

20160807134808

 

「海警1105(もと海警31101)」

20230906191131

 

外見をぱっと見た感じでは、舷側の数字と「中国海警 CHINA COAST GUARD」の文字の位置が変わったこと、船橋に電光掲示板が追加されたくらいで船体や装備に大きな変化はないように見える。

搭載艇(複合艇(RHIB))の色がオレンジ色から灰色に変わっているので更新されたのかもしれない。

機関砲は、「海警1001」の当時の報道では単管37mm機関砲と報じられていた。2016年に海上保安庁が尖閣沖で撮影した「海警31101」の画像でははっきり判別ができなかったが、今回の「海警1105」の画像では単管30mm機関砲のようにも見える。

同じく、14.5mm高射機関銃2基を装備と報じられていた。煙突近くの船橋構造物の後部にあるカバーがかかったそれは、「海警1105」では一回り小さくなったように感じられる。近代化改修が行われて、リモート・ウエポン・システム(RWS)に更新されたのかもしれない。

さらに、「海警1105」の舷側には「海警31101」や「海警1001」の時には無かったマークが追加されている。バウスラスタを新装備するなど、運動性能を向上させる改造も行われたのかもしれない。

 

「海警1105」の舷側の”1105”の”5”の下(丸窓1つ目の下)、喫水線近くにマークがある。

20230906191219

「海警31101」の頃には、その位置にマークは無い。

20230906191222

「海警1001」の配備前の報道から。その位置にバウスラスタは無い。

20230906191215

 

ほかにも外から見えないところで改良が行われていても不思議はない。

2000年代前半の設計で建造された船なので、あちこち古くなっているだろう。
・・・とはいえ、もともとが公安部の上海辺防海警総隊の旗船として建造された船だし、船名・番号が「110」と格下な数字(*1)となったとしても組織内政治的に、沿岸海域の任務に下がらせるのではなく第一線で働かせて功績を上げられるよう船体や装備を近代化したのかもしれない。

 

2016年8月のあの事案以来、7年の空白期間がありながらふたたび確認されたので、また何か当時と同じような状況が発生するのではないだろうか?・・・という不安感がつきまとう。

それとも、ただ単に、近代化改修をして船体の塗装をしたばかりのキレイな時なので、尖閣沖へと出張ってきて海上保安庁に撮影させて公表をさせたかった可能性もゼロではないだろう(苦笑)
(中国ネットSNSでは、中国海警局の船の「専属カメラマン」と冗談半分でコメントされてたこともある)

 

(*1) マニアックな話ですが、

直属第一局(上海)の1000㌧級の船のうち、「海警1101」はもと中国海軍の635C型測量船「東測226(东测226)」に与えられている。やはり中国海軍が出身の艦船は組織内での優先順位が高いだろう。
「海警1102」と「海警1103」はもと「海警2101(もと漁政201)」ともと「海警2102(もと漁政202)」。「海警1104」は中国海監総隊の海洋調査船だったもと「海警2151(もと海監51)」。「海警1105」がコレで、「海警1106」はもと「海警2106(もと漁政209)」。

海軍、漁政、漁政、海監、辺防海警、漁政、の順番だったので、もと上海边防海警の旗船であっても順位はあまり高くないように感じられる。

もっともその後に、もと中国海軍の056型コルベットだった海警船に「海警1107」「海警1108」・・・がつけられたので、こういった経験則は通じにくくなっているのかもしれない。

 

第十一管区海上保安本部によると、石垣市の尖閣諸島周辺の領海外側にある接続水域では5日午後3時現在、中国海警局の艦船4隻が航行している。尖閣周辺で中国船が航行するのは32日連続。
 4隻は「海警1302」「海警1102」「海警1103」と、機関砲らしきものを搭載した「海警1105」。尖閣周辺で「海警1105」は初めて確認された。
 海保の巡視船が領海に侵入しないよう警告している。

尖閣周辺に中国船4隻 32日連続 | 八重山日報 (2023/9/6)

 

  【中国海警局】 尖閣諸島で確認された中国の公船18隻(8月4日〜16日)、まとめ 辺防海警、漁政、緝私、海監など - pelicanmemo (2016-08-07)

中国海警局 カテゴリーの記事一覧 - pelicanmemo