【ヒアリ】台湾では「ヒアリ探索犬」の力を借りて、ヒアリの巣を早期発見

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（via. 外来種対策事業（ヒアリ等対策）について／沖縄県）

日本国内で、5月にはじめて確認されたヒアリ。神戸港、大阪港、名古屋港、東京都品川区の大井埠頭でのコンテナや、内陸部の都市でも輸入した貨物から確認されています。繁殖能力のある女王アリもごく少数ですが確認されました。

国内のニュースでよく、土が大きく盛り上がっているアリ塚がヒアリの巣の特徴と説明されていますが、それはすでに大きく成長してしまったアリ塚です。

10年以上ヒアリ対策を行っている台湾では、「ヒアリ探索犬」の力を借りて、ヒトの目では見つけられないような地面の下のヒアリの巣の早期発見が実用化されています。

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20170711072032 （via. 台灣動物新聞網）

台湾では、2003年10月にヒアリ（紅火蟻）がはじめて確認され、桃園市を中心に急速に拡大し、北の新北市や南の新竹県でも定着する地域（普遍発生区）が出ています。（台北市や基隆市、嘉義県など、いくつかの自治体でも確認）
防疫検疫局は、南北防衛戦を設定して、更なる拡大と定着を食い止めようとしています。

發生現況 - 國家紅火蟻防治中心 Red Imported Fire Ant Control Center (2017年4月更新)

「ヒアリ探索犬（火蟻偵測犬）」は、これまでに嘉義観音廟、桃園市の農地や野球場、運動公園、高速鉄道の駅周辺、桃園国際空港など各地で活躍しています。検出率は非常に高いと発表されています。

ヒアリ対策を担う国家紅火蟻防除センター（國家紅火蟻防治中心 (National Red Imported Fire Ant Control Center:NRIFACC)）が中心となって対策を続け、中央研究院、国立屏東科技大学と国立彰化師範大学の３組織が共同で、ヒアリ探索犬の育成と訓練を行っています。9才のスヌーピーや、7才のミッフィーなど８〜９頭が訓練されてきました（2015年10月現在）。

ヒアリ探索犬が、地面の下のヒアリの巣を発見すると、その前でお座りしてハンドラーに知らせます。

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（via. YouTube）

ヒトが見ても、そこにヒアリの巣があるとは分かりません。
掘ってみると、土の中にうじゃうじゃとヒアリが見つかりました（後にある動画で、お確かめください）。

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（via. YouTube）

沖縄県の資料で、台湾のヒアリ対策や具体的な対応も含めて詳しく報告されています。

外来種対策事業（ヒアリ等対策）について／沖縄県

ヒアリのモニタリング手法として、台湾ではヒアリ探索犬が実用化されている。検出力は非常に高く、働きアリのみでも反応する。ヒアリの早期発見のために、この探索犬の技術を活かすことができるのではないかと考え、以下の 2 通りの方法を検討している: 1 台湾から探索犬を日本に連れてくる、2 日本で探索犬を育成する。それぞれの利点と欠点を表 1-5_1 に示す。

第２章　外来アリ類（ヒアリ等）の監視技術・体制の確立（PDF：4,780KB）

これ、日本のお得意のセンサー技術で何とか出来ませんかね？

金属探知器みたいに使ったり、小さな無人走行車にセンサーを載せて、港湾地域や周辺広くを巡回させるとか。

ヒアリ探知犬やハンドラーの育成は時間がかかる上、訓練施設の維持管理など固定費もかかります。人材や犬材の問題もある。

アルゼンチンアリの定着を防いだ経験から、今のところは、ヒアリの定着を防ぐことができるでしょう。
しかし、さらに高齢化していく日本社会で、行政の現場の疲弊や政治の混乱、問題を起こさないための"予防"への理解不足からくる予算削減など・・・。地域地域でモニタリングを行っている、有志の昆虫マニアの高齢化や後継者不足もあるでしょう。

終わることのない防衛線への不安は大きくなるばかりです。

早期発見と対処は重要です。なにより安くつくのではないでしょうか。

ヒアリ探索犬の活動。