(新华网)
中国で、はじめての本格的な"観光用" 潜水艇の試運転が行われたと話題になっている。キャビンは、透明なガラスで大きく覆われていて乗客の視界もよい。
中国のニュースでは、どこそこのおじさんが「トランスフォーマー(外見だけ)を作った」というニュースがけっこうあるので、
「中国の中小企業が、頑張って作ったんだろう。 (ノ∀`) イイハナシダナー」
と早合点して、スルーしていたのです。
ところがちゃんと記事を読んでみるとこの観光用潜水艇、7000m級有人深海潜水艇「蛟竜(蛟龙)」号の研究開発の中心だった 中船重工702研究所(中国船舶重工集団公司第702研究所)によるものでした。ガチでした。
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(腾讯视频より)
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観光用潜水艇「寰島蛟竜1号(寰岛蛟龙1、"Huan Dao Jiao Long 1")」は、中船重工702研究所と、中国誠通・寰島集団(寰岛集团)との戦略的提携合意に基づいて建造された。海南省三亜市で運用される。
「蛟竜」号の設計製造で培った技術と知識を、はじめて商用利用した潜水艇で、耐圧構造、密閉技術、生命維持システム、通信システムなどが応用されている。旅客潜水装置として、中国船級社(CSS)の国内はじめての認定を受けたそうだ。
設計深度は40m。乗員2人と乗客7人が乗ることができる。
キャビンは、半球と3つの円筒形の透明なガラスを組み合わせ、広い視界を作り出している。
(新华网より) キャビンの円筒型のガラスを組み合わせているところ。
「寰島蛟竜」の総設計師は、「蛟竜」号のシニアエンジニア(主任設計師)で、メインパイロット(テストパイロット)だった叶聪(葉聡)。今年、36才(若い!)。
(新华网より) インタビューを受けているのが叶聪(葉聡)。
緊急時には、1.6㌧のバラストを落として急速浮上できる安全設計で、乗員乗客9人への12時間分の酸素を準備している。もちろん救命胴衣や食料・水も用意されている。
スラスタ(推進器)の向きから考えると、透明ガラスのキャビンのある方が"前"だろう。パイロットは後ろ向きに座って操船するようだ。
操縦席には窓は無く、船外カメラの映像を見て操船する。(船殻に開いている穴は配線等に使われる。)
(腾讯视频より)
「寰島蛟竜」号シリーズは、2号が同じ三亜市に、3号と4号が広西チワン族自治区の北海市での運用が計画されている。
数だけでなく、さらに深い領域で商業利用できる潜水艇が企画されていても不思議はない。
もしかすると20年くらい後、NHK『深海の超巨大イカ』続編のダイオウイカの撮影では、中国国産の1000m級有人深海潜水艇を使っているのかもしれない。
“蛟龙”家族推出“观光版”潜水器(新华网)(動画10分半)
世界最大全通透载客潜水器试运营(腾讯视频)(動画2分半)
蛟龙号技术首次商用 全通透载客潜水器试运营(人民网)
“蛟龙”家族推出“观光版”潜水器(组图)(新华网)
中国初の観光用潜水艇、試運転を開始(人民網日本語版)
寰岛集团与中船重工702所签署战略合作协议中国诚通(2014-4-4|中国诚通控股集团有限公司)
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