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【新型コロナウイルス】 ドイツ、抗体検査で人口の15%が感染? | 中国・アジアで初期に拡大したS型(B型)か?

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新型コロナウイルス感染症(COVID-19)。

ドイツでは4月10日発表で、陽性確定11万3525人(前日比5323人増)、死者2373人(前日比266人増)、致死率2.1%、退院5万3913人。

80才以上の高齢者の確認例が、3月終わり頃から急増しており、10万人あたり人数(陽性率)で他の世代を越えました。陽性確定数は9990人。前日比830人の増加で、1日あたりの増加数は過去最多となりました。(Robert Koch-Institut)

3月24日発表のグラフと比較してみると、全体的に感染者数が増えている中でも、80才以上の人が特に多くなっている傾向が顕著です。

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ドイツでは、感染者数の伸び率が緩やかになっているので、ピークアウトしたという見方もあります。しかし、致死率は上がって行くでしょう。
高齢者の感染者数の増加を食い止めることが出来なければ、さらに致死率はさらに高くなっていきます。特に南部での、医療や看護の現場の負担が心配です。

 

そんな中、ドイツ西部のノルトライン=ヴェストファーレン州(NRW州)のハインスベルグ (Kreis Heinsberg)地区で、クラスター発生した町の住人に対する抗体検査が行われた結果、約14%で抗体(IgG)の陽性が確認され、人口の約15%が発症あるいは感染していたという報告(中間報告)が話題です。

これについて少し。

 

当ブログ中の人の推測は、コレは、欧州で爆発的に感染拡大しているウイルス変異型とは違う、中国・アジアで初期に拡大していた初期変異型であり、ドイツのごく一部地域で2月に移入して、集団感染したクラスターでの結果と考えています。

【新型コロナウイルス】 ドイツの致死率はなぜ低いのか | ドイツの地獄はこれからか? - pelicanmemo (2020-03-20)

新型コロナウイルス カテゴリーの記事一覧 - pelicanmemo 

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ドイツNRW州ハインスベルグ地区、ガンゲルト町で2月15日に行われたカーニバルを原因として、集団感染と感染連鎖が発生しました。詳しくは後で書くとして・・・😊、

 

結論は、この、ドイツのNRW州(ノルトライン=ヴェストファーレン州)で2月中旬から感染拡大した新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の型は、中国から、日本、台湾、韓国などアジア各国で感染拡大していたウイルス変異型(S型(またはA型・B型))(*)です。(多分、A型😊)
ざっくりと書くと、3月に入ってイタリアやオーストリアから、ドイツやスペイン、フランスなど欧州各国で感染拡大した変異型(L型(またはC型))(*)とNRW州は系統図の別の山にいます。
(*)S型とA型・B型、L型とC型については後述。

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ドイツNRW州で、2月半ばから感染拡大していたウイルス株は、ヨーロッパの人種には比較的に感染力しにくく症状も出にくかった。そのため、ガンゲルト町カーニバルのクラスターでは、静かに感染拡大が続き、症状が悪化せず把握されなかった感染者が予想されていたよりも多かったのではないでしょうか?

症状が出にくかったので、ほとんどが発症せず重篤化することなく治癒してしまった。

 

ドイツでは、この調査結果の感染率や参考にして、出口戦略を探る政治的な動きもあるようです。時期尚早です。

すでに、「新型コロナウイルスは・・・」とひとくくりにして考えるのではなく、初期の中国アジアで流行した変異型と、欧州で拡大している変異型とで、ウイルスの型によって区別して見るべき時期にきています。

 

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ドイツ西部のノルトライン=ヴェストファーレン州(NRW州)、フランスと国境を接するハインスベルグ (Kreis Heinsberg)の、ガンゲルト町(Gangelt)で、2月15日に行われたガンゲルト・カーニバルを原因として、集団感染と感染拡大が起こりました(クラスターが発生)。

「ドイツの武漢」とも呼ばれ、3月はじめはドイツ国内で最も多くの感染者が確認されていた地域だった。

 

ガンゲルト町の人口は1万2529人。今回の調査に同意した町人1000人を対象としてPCR検査と抗体検査(IgG, IgA)と聞き取り調査が行われた。 4月9日に半分の、検査対象500人の結果の中間発表が行われました。

その結果、約14%で抗体(IgG)陽性、約2%でPCR検査で陽性の結果となり、町の人口の約15%に感染歴があると推計しています。

これまで、陽性確定者と濃厚接触者に対するPCR検査の結果から、症状の無い感染者を含めて5%が感染していると考えられていたので、今回の調査(中間発表)での約15%とかなり高い数字が、驚きをもって報じられています。

 

 

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この、ドイツのNRW州(ノルトライン=ヴェストファーレン州)で2月中旬から感染拡大した新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の型は、イタリアやオーストリアからドイツや欧州各国へと感染拡大したL型(あるいはC型)(*)とは違う、中国から、日本、台湾、韓国などアジア各国で感染拡大していたS型(またはA型とB型)(*)でしょう。

A型の系統の中にある2つの欧州サンプル(水色)が、ドイツNRW州と、英国ウェールズかもしれません。🤔(よく見ると、A型とは別のの系統のようなので修正しました)

 

この新型コロナウイルスは、伝播ルートはヒトの社会活動と連動して複雑であり、わずか1人の移動であっても、移動先の地方で感染拡大を引き起こすポテンシャルを持っています。

デンマークのフェロー諸島でも、2つのタイプのウイルスが存在していた、という発表があります。

【新型コロナウイルス】 感染しやすいL型と、そうでもないS型? | フェロー諸島はミニ実験室 - pelicanmemo (2020-04-03)

 

 

新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)のDNAの研究によって、S型(またはA型とB型)と、L型(あるいはC型)と、遺伝子の変異から分けられるという研究結果が出ています。

中国の研究から、S型とL型の2つのタイプに分けられ、中国やアジアではS型が多く、欧州ではL型が多かった。

また、ドイツと英国の研究チームによると、昨年12月から3月4日までの遺伝子データから、中国など東アジアに多い型と、欧米で多い型など3つのタイプに分けられる。

Phylogenetic network analysis of SARS-CoV-2 genomes | PNAS

新型コロナ、3種類に分類可能 東アジアや欧米など違い [新型コロナウイルス]:朝日新聞デジタル (2020年4月10日) 

変異パターンは3種類 新型コロナウイルス―ワクチン開発に応用期待・英大学:時事ドットコム

 

中国の雲南省のコウモリ(Rhinolophus affinis (BatCoVRaTG13))から変異したA型は、中国・広東省と台湾や日本や韓国などアジアの国々、そして米国とオーストラリア、他でも見つかっている。
実は、意外にも、初期に米国と豪州へのウイルスの伝播が起こっていた。(しかし、そこで爆発的な感染拡大はしなかった)


A型から変異したB型は、中国の武漢のサンプルで多く、アジアや欧州から広く拡大した。

B型から変異したC型は、欧州で多く確認され、中国では見つかっていない。

3月4日までのサンプルの結果なので、イタリアでの感染爆発とその後の、欧州各国や他地域の国々への人の移動による大規模な伝播は含まれていません。

だから米国NYが含まれておらず、早くから外国からの入国を制限した中国でC型が確認されていないのでしょう。

“C型”は、中国の研究者が分類した“L型”に、“A型”と“B型”が“S型”に相当するでしょう。

 

 

実は、当アカの中の人は、米国で初期に確認されたウイルスは、コウモリから分離されたウイルスからの初期変異型だという研究結果や発表や報道を目にしていたので、少し混乱していました。

米国は、中国武漢で拡大した例からの移入例と、欧州からの移入例での爆発的感染拡大と思っていた。コウモリからの初期変異とは思っていなかった。

つまり、地域差がかなりあるので、米国で初期に分離された研究結果を見ていた、あるいは、米国でのインフルエンザ様症状疾患に紛れて、新型コロナウイルスの感染が拡大していたのかもしれません。

ところが、その後に、欧州での感染爆発があり、米国東部とくにニューヨーク州へ移動してきた欧州株のC型(L型)による急激な感染拡大が起こったのでは?と感じています。

そして今、NY州がとても大変なことになっている。

 

【新型コロナウイルス】 ドイツの致死率はなぜ低いのか | ドイツの地獄はこれからか? - pelicanmemo (2020-03-20)

【新型コロナウイルス】 ドイツ、陽性患者の4割が国外で感染 国内で感染拡大 - pelicanmemo (2020-03-26)

【新型コロナウイルス】 感染しやすいL型と、そうでもないS型? | フェロー諸島はミニ実験室 - pelicanmemo (2020-04-03)

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Coronavirus im Kreis Heinsberg: Stand 9. April

Coronavirus im Kreis Heinsberg - Kreis Heinsberg (4/11 12:00閲覧) 

Aktueller Lage-/Situationsbericht des RKI zu COVID-19

2020 coronavirus pandemic in North Rhine-Westphalia - Wikipedia

 

Corona-Forschung in Gangelt startet - Rheinland - Nachrichten - WDR

Erste Resultate der Corona-Studie aus Heinsberg

Coronavirus News: Katastrophenschutz hilft im Altenheim - Politik - SZ.de

 

The cluster effect: how social gatherings were rocket fuel for coronavirus | World news | The Guardian

Wissenschaftler haben Fragen zur Heinsberg-Studie - Nachrichten - WDR

Corona-Studie in Heinsberg liefert Argumente für Exit-Diskussion - Landespolitik - Nachrichten - WDR

ノルトライン=ヴェストファーレン(NRW)州内における新型コロナウイルス感染状況について(2020年4月10日更新) | 在デュッセルドルフ日本国総領事館

 

 

ベトナムの新型コロナウイルスに変化発見、中央伝染病衛生研究所 [社会] - VIETJOベトナムニュース

焦点:優等生シンガポールでも感染増、コロナ封じ込めの困難さ - ロイター