(YouTube より)
ツイッター・SNSでときどき、「海上保安庁の巡視船はサビだらけだ!」からの「中国海警局の船はサビていない!」という感じのコメントを見かける。
中国海警局の船もふつうに錆びます。
海上保安庁の巡視船のサビについては同感(予算が…😔)
先月(5月)末、石垣港から出港した漁船3隻による尖閣沖での漁業活動の際にチャンネル桜が撮影をした動画が公開された。この動画のなかの中国海警局の船でいくつか気付いたことがある。
・・・なんか、きれいになってない?🙄
そこで、4月上旬に仲間均石垣市議らが尖閣沖で操業したときの写真と比較をしてみた。
4月の写真にあった錨孔の下のサビや、喫水線近くの黒い汚れ(塗装の剥がれ)などが5月末の方では見当たらない。
「海警2502」は、4月下旬〜5月上旬に船体等のサビを落として塗り直したようだ。🙂
メンテナンスも行っただろう(*1)。
【尖閣諸島】日本の排他的経済水域(EEZ)で中国海警に追いかけられてみた【釣り】 - 仲間均ちゃんねる Hitoshi Nakama - YouTube (2021/04/10)
【尖閣最新映像】視えた!尖閣最終局面!中国海警船、日本漁船に急接近! - SakuraSoTV - YouTube (2021/05/30)
【中国海警局】 尖閣周辺、"連続100日目"のまとめ 4隻ずつ1か月ごとに交代、全13隻 - pelicanmemo (2020-07-22)
中国海警局 カテゴリーの記事一覧 - pelicanmemo
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つぎの画像は「海警2306」(現・海警2302)の乾ドックでのメンテナンスの様子。
錆びた部分の塗装を削ったあとが分かりやすい。(中国海警局が人民武装警察部隊に隷属する前のもの。2016年だったと思う)
船体のサビなどを落とし船底クリーニングを行ってから塗装をしなおす。この時はプロペラの研磨や、船体の腐食の穴などを塞ぐ作業も行われていた。
(国家海洋局の頃は現場は行政組織だったのでこういう写真も公開されていて楽しかったんだけど、行政組織から武装力量(武力)組織に移管された武警・海警総隊(中国海警局)ではほとんど期待できないだろう。)
なぜ、中国海警局の船はあまり錆びていないとイメージされがちなのか?
まず、海上保安庁から発表される中国海警局の船の画像は、尖閣諸島の周辺海域ではじめてその船名・番号の船が確認された時に撮影をしたもの。何年も前の写真を、ニュース報道ではずっーーーっと使い回している。
ほぼ”新車”のころに撮影された写真で、船体の白さが際立つきれいなものが多い。
次に、中国メディアで公表される中国海警局の船の画像は、最初に配備された時やお偉いさんの視察があった時、演習の広報写真や一般公開のものが多い。
そりゃ、きれいな船体の写真が多いだろう。(さがせばサビてるのもある)
海上保安庁の場合は波止場で一般人が間近で撮影した写真がたくさんだけど、中国では軍事部門の艦船の撮影はスパイ行為とみなされかねない。(あるけど)
ところが近頃、尖閣沖で日本の漁船によって撮影されることが多くなった。よく見てみると、他の船もけっこうサビがきていることがわかる。
海上保安庁にはもっと”現在の状況”を伝えてほしいものだ。
(*1) この5000トン級「海警2502」は、1ヶ月長期出張したら、1ヶ月大陸沿岸で仕事をして、また1ヶ月長期出張(*2)をして・・・を2020年はじめから繰り返している。
海上保安庁第11管区海上保安本部からの発表で「海警2502」が含まれていたのは、2020年(1~2月、3~4月、6~7月、8~9月、11~12月)・2021年(1~2月、3~4月、5月~)だった。
一方、同型艦の「海警2501」は2020年5月を最後に確認されていないようだ。2021年2月に76mm機関砲を搭載した画像が公開されたので、その前に長期メンテナンスに入っていたのだろう。
(*2)2019年までは半月ごとに4隻グループで交代するパターンだったが、2020年1月からは1ヶ月ごとの交代となった。新型コロナが影響したのかもしれない。