モロッコで、ロバを獣姦した少年１５人が狂犬病に？　元記事を調べてみた（追記あり）

20170819132730 (via. القناة)

モロッコで、狂犬病のウイルスに感染していたロバとのセックスによって、少年15人が病院で治療を受けるというニュースが、内外で話題となっています。

最初はフェイク・ニュースだと思ったのですが・・・、元の記事の内容を信じるなら、本当にあった事のようです。実際に報告されたことのようです。（追記修正08/20：少し表現を修正しました。検証中です。）（追記08/21：詳細を伝えた記事がありました。少し長いので後に追記しました。）

狂犬病に感染していたロバを獣姦したモロッコの少年グループが、病院へかつぎ込まれる事件が起きた。

複数の欧米メディアによると、若い活力を持て余した15人ほどの少年たちが、ロバを相手に無理やり発散させてしまったという。だが、少年たちが次々と体調を悪くしていったことで、このロバが狂犬病に感染していたことが判明する。

ロバを獣姦した少年たち、次々と狂犬病に | Narinari.com

元の記事の大筋は、この日本語ニュース記事と同じです。
ただ、「若い活力を持て余した15人ほどの少年たち」と書いていますが、15人の年齢は７才〜１５才と若いので、少年グループの構成員の通過儀礼のような性行為（擬似行為）だったのかもしれません。

（詳細を伝えた現地メディアの記事がありました。この少年グループ１５人とは別の、20才以上の若者２人だけだそうです。少し長いので、後の方に追記しました。）

狂犬病は発症した場合、致死率はほぼ１００％です。

元記事を探して、ローカル・ニュースを調べていると、現地の狂犬病の被害がひどいことが分かります。ロバなどの家畜でも、狂犬病ウイルスのキャリアの野犬から感染したのでしょう、感染拡大が起こっています。被害ロバはワクチン接種を受けていなかったそうです。

狂犬病は、日本国内はまだ無い"清浄地域"ですが、世界的には増えつつある人獣共通感染症です。

狂犬病に関するQ&Aについて｜厚生労働省

狂犬病の予防接種なぜ必要？https://t.co/maEl1XRsJB
— Twitter モーメント (@MomentsJapan) 2017年8月17日

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もと記事はこちら。

モロッコの新興のネットニュース・サイト "Al Akhbar (الأخبار )" (www.alakhbar.press.ma) の8月10日付けの記事が伝えました。（ニュースサイトが立ち上げられた経緯や、掲載されている他のニュースから、デマやネタのニュース・サイトではなさそうです。）

حصرياً .. القصة الكاملة لـ15 مراهقاً مارسوا الجنس على حمارة وأصيبوا بمرض خطير بسيدي قاس（独占記事：シディカセム県で、１５人がロバとのセックスにより重症） (Al Akhbar)

حصرياً .. القصة الكاملة لـ15 مراهقاً مارسوا الجنس على حمارة وأصيبوا بمرض خطير بسيدي قاسم | Facebook‬

事件は、モロッコの北部、Sidi Kacem（シディカセム）県 Sidi Al Kamel 町の Mechra Bel Ksiri 村で起きました。このニュースでコミュニティは大騒ぎとなり、自治体では情報の把握につとめています。また、児童への性的虐待に対する活動をしているNGOが、学校での性教育の拡充を求めるコミュニケを発表しました。

ーー（追記：8/21）ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

モロッコのネットTVニュースサイト"注目TV(شوف تيفي)"(chouftv.ma) が、現地の目撃者の話を元にして、前後の詳細を伝えました。また他メディアにも似た説明がありました。

انفراد: التفاصيل الكاملة والحقيقية لواقعة اغتصاب ''حمارة'' مشرع بلقصيري وها العدد الحقيقي خلافا لما يروج（詳細： Bel Ksiri 村で起きた「ロバ」獣姦事件の完全な真実、事実と違うこと）（管理人注：少し意訳）

（注：アラビア語→英語のネット翻訳を中心に、ネット翻訳のクセや誤訳を調べながら読みましたが、誤読・勘違いがあるかもしれません。）

・雌ロバを獣姦・輪姦した人数は、２人よりも多くはない。実行犯は成人（20才以上）の若者２人。
・１人目の若者（24才以上）が雌ロバを獣姦し、２人目の若者（20才以上）が続けて行った。３人目の年少者が脇でげらげら笑っていた。
・近くで遊んでいた少年グループの１５人（10才〜15才）が、騒ぎを聞いて集まってきた。（ニュースで報道された少年たち１５人）
・ロバに石を投げたり殴ったりした。後にそのロバは死んだ。（管理人注：姦通罪への石打ち刑をまねたのだろうか？）
・そのロバには、狂犬病ワクチンは打たれていなかった。
・獣姦した若者は、性器に痛みを感じ何かの症状がでて、病院に入院する。父親が事情を知る。（症状がちょっと分かりにくかった。）

ーーここから、欧米のニュースやSNSで主に広まったこと。ーー
・狂犬病のウイルスに感染しているかもしれない「雌ロバ」を、獣姦した若者が病気になったことがコミュニティに一気に広まる。
・若者が、雌ロバでセックスの練習をしていたという事が、村の、男の子供がいる家庭を恐怖に追い込む。
・１５人の少年たちが感染した可能性があるかもしれないので、狂犬病ワクチン（血清）をうつ治療行為が行われた。病院に入院はしていない。
・噂や醜聞を恐れて、他の地域の病院で、子供に狂犬病ワクチンを打たせた家庭が他にもあったかもしれない。
（狂犬病のワクチンは、暴露前接種や、噛まれてすぐ後に行う注射など、体内に入ってくる／入ってきたウイルスの増殖を阻止して発症させないため、複数回うつ必要があります。）

もちろん、地域・コミュニティのスキャンダルを誤魔化すために作られた「よく出来た嘘」の可能性も考えられますが・・・、そこまで疑ってみても、さらに調べるのは難しそうです。

モロッコでの狂犬病の被害や、ワクチンを打てない貧困家庭があり家畜がいることなども合わせて、いろいろな報道があります。

حمارة سيدي قاسم... القصة الكاملة - جريدة الصباح（ロバ、シディ・カッセム県、フルストーリー）

مسؤول بوزارة الوردي: مغتصبو "حمارة" سيدي قاسم عولجوا بمركز تابع لوزارة الداخلية وليس وزارة الصحة - الجريدة 24（省の関係者：シディカッセム県の「ロバ」殺害事件　保健省ではなく内務省の健康センターで扱われた）

ーー（追記ここまで）ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

狂犬病の初期の症状は、倦怠感や不快感、発熱、頭痛などインフルエンザと似ています。少年の中に、その段階で病院に行って診察を受けた子がいたのかもしれません。

問題は、どのくらい狂犬病ウイルスに暴露し、どのくらい日数がたっているかです。潜伏期間は一般的に１ヶ月から３ヶ月（長い場合には、感染してから１年から２年後に発症した例もある）。発症後の死亡率はほぼ１００％です。

15人の少年たちの年齢は7才から15才、日本に当てはめると小学生〜中学生なので、狂犬病ワクチンの暴露前接種は受けていなかったのではないでしょうか。

少年グループの構成員の、通過儀礼のような行為だったのなら、暴露時間が短い少年もいて、15人全員が発症したわけではないのかもしれません、希望的観測ですが。
ただ、モロッコでは、男児への"割礼"の文化がある（女児の割礼は行われていない）ので、残念ながら、包茎によるバリア効果はあまり期待できなさそうです。（追記(8/21)：書いたので、修正しました。）

狂犬病の感染経路と、もしかしたら死亡例に、極めてまれなケースとして"家畜との性行為による感染"が付記されるのでしょうか。

ロバを獣姦した少年たち、次々と狂犬病に | Narinari.com

ロバを獣姦した少年たち、次々と狂犬病に | ニコニコニュース

『なにかが山を…』収録