（自由時報より）
7月3日深夜、台湾の宜蘭県の県議など「頭城釣魚台保護弁公室」関係者らが、ゲリラ的に、漁船で尖閣諸島の海域へ出港しようとしたところ、海洋委員会 海巡署（沿岸警備隊）によって出港を阻止された。
漁船「順利58」には、「頭城釣魚台保護弁公室」のTシャツを着た12人と船長ら船員11人、計23人が乗っていた（うち3人が記者らしい）。海巡署の隊員が安全検査を行ったところ、船員以外は船員手帳を所持しておらず（漁船船員管理規則に違反）、漁具ではないハトや爆発物の爆竹を乗せるなど規定違反があったため出港を制止、下船させられた。
漁船「順利58」は遊漁漁船でない一般漁船なので、船員手帳が義務づけられている。
同弁公室は当初、7月7日に出港予定と発表していて、出港日を決定したら数日前に発表すると言っていたが、3日深夜にゲリラ出港を試みたわけだ。
ハト50羽の足の「脚環」に台湾国旗と抗議文（釣魚台是我們的）を付けて島の近くで放鳥したり、島のごく近くの海上から海難救助用のロープ投擲装置に台湾国旗を付けて発射したり、空のペットボトルに抗議文を入れて流す事を計画していた。爆竹は上陸後のお祝い用なのだそうだ。
相手が嫌がるような事をするのは定石とはいえ、いろいろと考えるものだ。
宜蘭県議ら、釣魚台への出航に失敗するも「任務は達成した」／台湾 | 中央社フォーカス台湾
企圖夜襲出海遭勸阻 保釣人士：任務已達 | 中央社 CNA
保釣人士出海遭勸阻 漁業署：未持有船員手冊 | 中央社 CNA
派賽鴿「突襲」釣魚台… 保釣登島劇本全曝光 無船員證被阻 - 自由時報電子報
尖閣諸島の島への、空からの上陸計画は過去にもあった。
2014年正月に、中国の気球愛好家が熱気球で、福建省福州市から離陸して尖閣諸島の島へ上陸する計画を実行している。
この時は、魚釣島の南の海上30数kmに着水し、計画は失敗した。
無線で救助を求めたところ、台湾当局から日本の海上保安庁へと連絡があり、海保の巡視船によって救助されている。
洋上で、中国当局の公船（海警2151（当時の番号））へと引き渡された。
【尖閣】熱気球で上陸計画するが失敗 飛行ルート図 2013年9月に計画開始か: メモノメモ
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（自由時報より）
閑話休題、
6月22日、沖縄県石垣市議会は、尖閣諸島の住所地の字名を「登野城」から「登野城尖閣」に変更することを議決した。10月1日に施行される。
これに対して、台湾の行政区で管轄となる宜蘭県の県議会は、尖閣諸島の台湾名「釣魚台」から「頭城釣魚台」へと変更するよう県に提言する動議を可決した。こちらは提言の段階（記事公開時点）。
宜蘭県の蔡文益議員（国民党）と複数の県議が、6月23日に「頭城釣魚台保護弁公室」（以下、宜蘭保釣弁公室）を立ち上げ。その「保釣」活動として、尖閣諸島の海域への出港と島への上陸を行うと発表していた。
中央政府や日本政府に対して、沖縄県石垣市の市議会が尖閣諸島の住所地の字名を変更したことについて誠実な回答を求めていたが、期限とした7月1日までに回答が無かったとして、同弁公室は7月2日、近いうちに調査と上陸の「先行探勘，登島策略」を開始すると発表した。
7月7日に出港予定と発表し、出港日を決定したら数日前に発表すると言っていたが、3日深夜にゲリラ出港を試みたわけだ。
中央社の取材に対して、抗議活動をしばらく休止すると話しているが、いきなり鵜呑みにはしにくい。しばらく注意が必要だろう。
宜蘭保釣弁公室は、海巡署によって出港を阻止された事について、漁港に「保釣」関係者対策の指揮所（反保釣指揮所）が設置されていて、「保釣」関係者の出港阻止や、抗議やスローガンの垂れ幕を漁船に貼れなくするなど、海巡署など関係機関による嫌がらせを受けていると主張している。
海巡署の、宜蘭県ほか地域を管轄する岸巡隊（海上保安庁での海上保安部のような単位）は、日々の定期パトロールと安全検査であり、反保釣指揮所の存在は否定した。
（宜蘭中央社）台湾の領有権と漁業権の保障を主旨とする「頭城釣魚台保護弁公室」メンバーが3日深夜、抗議活動のため釣魚台列島（日本名：尖閣諸島）目指して出航を試みたものの、沿岸警備隊員らによって阻止されたことが分かった。同弁公室は、日本に抗議する任務は一段落したとの認識を示している。
尖閣諸島の字名変更を議決 沖縄県石垣市：時事ドットコム (2020年06月22日)
台湾「厳正な抗議を表明」＝石垣市議会が議案可決 字名に「尖閣」明記 | 中央社フォーカス台湾 (2020-06-22)
宜蘭県議、「頭城釣魚台保護弁公室」を設置 台湾の領有権と漁業権を守る | 中央社フォーカス台湾
釣魚台めぐる抗議活動 宜蘭県議「政府に迷惑掛けない」／台湾 | 中央社フォーカス台湾
保釣人士出海遭勸阻 漁業署：未持有船員手冊 | 中央社 CNA
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2017年、中国海警局の公船「海警2308」が、領海内で小型のドローン（クアッドコプター）を飛ばした時は、海上保安庁からの連絡によって、尖閣諸島の上空と周辺空域にF-15戦闘機２機とE-2C早期警戒機１機、AWACS（早期警戒管制機）１機を向かわせている。
防衛省・自衛隊：小型無人機（ドローン）らしき物体の領空侵犯について (平成29年5月19日)
【中国海警局】 尖閣諸島の日本の領海内で、中国海警局の公船がドローン（無人機）を運用 - pelicanmemo(2017-05-18)
