中国で、アフリカ豚コレラ (African Swine Fever (ASF)) の発生が相次いでいます。
8月3日に遼寧省瀋陽市で、アジアではじめての発生が確認されてから、16日に河南省(鄭州市)、19日に江蘇省(連雲港市)、22日に浙江省(温州市)で発生。そして30日には、安徽省(蕪湖市)での発生が確認されました。
アフリカ豚コレラ アジア拡大の恐れ 中国で発生 近隣国に警鐘 FAO - 日本農業新聞
アングル:中国襲う「アフリカ豚コレラ」、アジア拡散防げるか | ロイター
目ざとい人の中には、7月に、ロシアから中国へ豚肉が輸出されていて、それが原因で感染拡大が起きた、という"情報"を見かけた方もいるでしょう。
もしそれが正しいのなら、豚肉を輸出したロシアの農場でASFウイルスの調査が行われ、結果の発表があっても不思議ではありません。しかし、見当たりません。
そこで、もう少し深く調べてみたところ、ロシア連邦動植物検疫監督局より「ロシアから中国への豚副産物の出荷はなかった」という公式発表がありました。
何があったのか、何が間違っているのか、検証してみました。
長くなるので、簡単な解説です。
- 話題になっている、ロシアから中国への豚肉の出荷は無かった。(ロシア連邦動植物検疫監督局による公式発表)
- ロシアの農畜産業企業「シベリア農業グループ」のプレスリリースが間違っていた。本当は、香港経由でベトナムへ"豚の内臓24トン"の輸出だが、中国へ輸出と書いてしまった。(当局の指導により修正済み)
- ロシアメディアが、会社の間違った発表をもとに報道。(スプートニク他(ロシア語、中国語))
- 中国メディアが、中国当局の発表やスプートニク(中文版)等の記事をもとに報道。後に記事は削除された。
- 「シベリア農業グループ」がベトナムに輸出したのは"豚の内臓24トン"。
その一方、"中国に豚肉24万トンを輸出"というフェイク・ニュースが出てきた。 - 米中貿易戦争で、豚肉不足でロシアから輸入したために、ロシアから中国へASFが拡大した、という解釈がされています。
- 残っている記事と一部だけ転載した情報をもとにして、中国共産党・政府による隠蔽がされている等の陰謀論が出ています。
- 中国のアフリカ豚コレラのウイルスが、他のルートで、ロシアから侵入した確率は70〜80%と考えています。(ブログ管理人による概算)
Ads by Google
韓国の空港で「アフリカ豚コレラ」、旅行者の荷物の餃子と腸詰めからウイルスを検出 中国の遼寧省から - pelicanmemo
まず、時系列で見てみましょう。(ソースと検証は、記事後半に詳しく載せています)
- 8月3日:"シベリア農業グループ(Сибирская Аграрная Группа)"がプレスリリースで、系列会社クラスノヤルスク・ポーク(Свинокомплекс Красноярский)が、中国へ豚の副産品24トンを輸出すると発表。(後に、修正された)
- 8月3日〜:ロシアメディアが、"シベリア農業グループ"の発表を元に、中国への豚副産品の輸出について報道。
- 8月3日:中国の東北地域、遼寧省瀋陽市で、アジアではじめてのアフリカ豚コレラ (ASF) の発生が確認された。
- 8月4日:ロシアメディア "スプートニク"(中文版)が、中国への豚副産品の輸出について報道。
- 8月7日:ロシア連邦動植物検疫監督局が、シベリア農業グループのプレスリリースが間違いで「"シベリア農業グループ"は、中国へ豚副産品を出荷はしなかった」と公式発表。
- 8月8日:中国、黒竜江省商務庁が、対ロ経済貿易データ(169期)の中で、ロシアから中国への豚副産品24トンを輸出と公表。(未だに残っています)
- 8月16日:中国の商務部のウェブサイトが、 "スプートニク"の記事を参照する形で紹介する。
- 8月16日に河南省(鄭州市)、19日に江蘇省(連雲港市)、22日に浙江省(温州市)でアフリカ豚コレラ (ASF)の発生が確認された。
- 8月23日〜:
財新網など中国メディアが、ASFの発生と絡めて、ロシアから中国への豚副産品の輸出を報道する。
後に、これらの記事、商務省の紹介記事等は削除された。 - 一部メディアが、中国でのアフリカ豚コレラの発生と拡大のニュースの中で、ロシアの"シベリア・グループ"が、中国へ24万トンの豚肉を輸出したと伝えて、それが原因の可能性があると、"フェイク"・ニュースを流す。
米中貿易戦争と絡めて解説している。 - 財新網など中国メディアの記事が削除されているのを、中国共産党・政府による隠蔽工作だという陰謀論が出てくる。
他にもあるでしょう。管理人が見かけたものを時系列で並べてみました。
8月3日にシベリア農業グループが間違ったプレスリリースを出した、その同じ日に、中国の遼寧省瀋陽市で、アフリカ豚コレラ (ASF)のアジアでのはじめての発生が確認された。
・・・あまりにもタイミングが悪かった、と言うしかありません。
その裏に何かの陰謀を勘繰ってしまいたくなるくらい、タイミングが良過ぎる 悪い話です(陰謀論って楽しいですよね☺️)。
弱り目に祟り目と言います。中国は近頃悪いニュースが増えているので、ツキが落ちているときは運も無くなっていくのかもしれません。
遼寧省瀋陽市でASF発生が確認されてすぐ、そのウイルスの原因は、シベリア農業グループの系列会社が出荷したと発表した豚副産品にあるかもしれない、と疑われたのでしょう。
ロシア連邦動植物検疫監督局が調査を行い、8月7日に「中国への輸出」という「プレスリリースが間違いであることを公式発表しました。
しかし、間違った発表だったことは中国側にはすぐには伝わらず、「ロシアから中国へ豚を輸出」という誤情報が独り歩きしてしまった。
中国内外の中国語メディアの一部が、「ロシアから中国へ24万トンの豚肉輸出があった」というフェイク・ニュースを流しています。日本語でも拡散しているので、見聞きした方もおられることでしょう。
遼寧省でアフリカ豚コレラ(ASF)が発生した直前の7月に、ロシアから豚肉24万トンが輸入された、だからロシアから中国へウイルスが流入した可能性が高いというものです。
それと合わせて、米中貿易戦争のため、米国からの豚肉の輸入量17万トン(2017年)を、ロシアからの輸入24万トンに切り替えたからだと解説をしています。
(追記9月28日:デマです。中国の7月の豚肉輸入量は88,163トン。EUやブラジルから輸入が増えています。ロシアからの輸入は承認されていません。
アフリカ豚コレラ、ロシアでは200万頭、全豚の8.3%を殺処分? | サッカー・ワールドカップで中国へ拡大か?(2/2) - pelicanmemo)
ロシアの豚肉生産量は287万トン、輸出量は約2.5万トン(2016年)(農畜産業振興機構(pdf))です。24万トンというと、約10倍ですね(笑)
中国の豚肉輸入量は122万トン(平均約10万トン/月)(2017年)。ロシアの地方企業が、7月に、中国全体の豚肉輸入量の2ヶ月半の量を中国に輸入したことになります。
これだけでも、信頼性の低い話だと分かると思います。
中国国内で、商務省や農業農村省の間で、ASF発生の責任の押し付けあいがあるとも伝えられています。米中貿易戦争のせいと言うのは、その一環と感じられます。
陰謀論の人によると、大手の中国メディアが「ロシアが中国に豚肉輸出」という記事を削除したのは、中共による隠蔽工作で、それは「ウイルスがロシアから侵入したことを、誤魔化そうとしている」のだそうです。
当ブログの中の人は、むしろ、中国共産党・政府にとって、アフリカ豚コレラ(ASF)のウイルスが、ロシアから侵入してきたと(但し書き付きで)分かる方がメリットがあると考えています。
農業農村部など中国当局は、アフリカ豚コレラ(ASF)のウイルスは外国から流入してきたのだと、強い調子で言い続けています。
もし中国国内でいきなりASFが発生したとなると、中国での豚のことだけに、大きな社会不安に繋がりかねないからです。これは中共が、強権をもってしてでも抑え込もうとしていることです。
もし、ウイルスが外国から流入なら、その流入経路を塞ぎ、生きた豚や豚肉・産品の生産と流通を充分に監督管理していけば国内は安心だ、と人民に対して言うことは出来ます。(実効性と、信頼性はまた別の話ですが・・・)
今後のASF発生を抑え込めるなら、中国当局の対応が功を奏したからだと、内外にアピールをするでしょう。
全力以赴做好非洲猪瘟疫情防控——农业农村部畜牧兽医局负责人就非洲猪瘟疫情答记者问 - 农业农村部新闻办公室
ASFはアフリカからの伝染が2007年に確認されて以降、欧州やロシアに感染が拡大。猛威を振るっている。FAOは、中国で発生したASFのウイルス型が、17年にロシア東部で発生したものと似ていると指摘するにとどめ、中国当局の話として「感染経路は依然分かっていない」としている。
中国のアフリカ豚コレラ(ASF)のウイルスが、ロシアから流入した確率は70〜80%と思っています。(素人による推計です。話半分で見てください。)
陸続きなので、豚肉・製品の輸入や、東欧で起こっているような野生イノシシのロシア–中国国境を越えた移動だけではなく、豚肉・内臓由来の飼料の移入や、車のタイヤや荷台、旅行者の靴や服についた土や泥や糞、持ち込んだ食べ物や残飯など、陸路でウイルスが侵入できるルートは沢山あります。密輸や闇取引もありそうです。
残りの20~30%は、東欧のエストニアや、アフリカのザンビアやジンバブエなど、他のウイルス汚染国からのASFウイルスの流入で、可能性は排除できません。
この場合、飛行機や船を経由して、ジャンプして、中国に侵入したことになります。「一帯一路」政策によるヒトやモノの移動が激しくなったのが一因と言われかねない話です。
むしろ、ウイルスがロシアから侵入していた方が、中国共産党・政府にとっては、ロシアとは陸続きなので避けることが困難な災害だった、他の国も防げなかったじゃないかと、国内的にも国際的にも言い訳ができると感じます。
但し、話題が沸騰しているいま、流入元がロシアだと特定されることは望まないでしょう。
米中貿易戦争が長期化しそうで、ロシアとの関係が非常によくなっている今、ロシアのどこかの農場が感染元だと特定されてしまうと、今後の中露の通商関係を強めていく上でも、都合が悪い。ロシアからの豚肉の輸入再開の話も、また頓挫してしまう。
数ヶ月〜数年してから、米欧の英文科学雑誌で、中国でのアフリカ豚コレラのウイルス(MH722357 China 2018/1)の外国からの感染ルートを解明!というような論文が、英語で発表されるのかもしれません。
長文におつきあいいただき、ありがとうございました。☺️
(第一部、終了。続いて、第二部をお楽しみください。)
では、ここから詳しく検証をしていきましょう。😓
・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・
ロシア語は、Google翻訳などウェブ翻訳をもとに一部抄訳してみました。(誤訳があるかもしれません。ご指摘くだされば、中の人は喜びます)。
まず、 ロシア連邦動植物検疫監督局(Россельхознадзор (Rosselhoznadzor))による、8月7日付けの公式発表はこちらです。
АО "Сибирская Аграрная Группа" ошибочно опубликовала на своем сайте пресс-релиз об экспорте партии свиных субпродуктов в Китай - Россельхознадзор
("シベリア農業グループ"は、誤って、中国への豚肉の臓物の輸出に関するプレスリリースを、ウェブサイトに掲載した - 連邦動植物検疫監督局)
(注:文中のロシア語 "АО"は、"株式会社"のような意味らしい。曖昧なので訳しませんでした。)
連邦動植物検疫監督局は、担当部署が、"クラスノヤルスク・ポーク"の豚の臓物の、中国への輸出のための輸出用獣医証明書を発行していないことを確認した。
В свою очередь Россельхознадзор информирует общественность, что территориальные управления Службы не оформляли экспортный ветеринарный сертификат на партию свиных субпродуктов АО "Свинокомплекс Красноярский" для вывоза в Китай.
"シベリア農業グループ"は豚生産品を、中国に輸出しなかった。
АО "Сибирская Аграрная Группа" не отгружала свиноводческую продукцию в Китай.
(注)当記事に掲載した、ウェブサイト画面のスナップショット画像は、いずれも8月30日に取得した。
Российский холдинг ошибочно "отправил" свиные субпродукты в Китай - TKS.RU
次に、シベリア農業グループ(Сибирская Аграрная Группа)の、8月3日のプレスリリースを見てみましょう。
連邦動植物検疫監督局の指導により、修正済みのものです。
«Аграрная Группа» вышла на рынок Юго-Восточной Азии - АО «Аграрная Группа»
("農業グループ"が、東南アジア市場に参入 - 《農業グループ》)
ポーク企業体"クラスノヤルスク" は、(豚の)副産物の、ベトナムへの最初の輸送を行った。
会社は連邦動植物検疫監督局より、香港とベトナムに製品を輸出する許可を得た。Свинокомплекс «Красноярский» отправил первую партию субпродуктов во Вьетнам.
Для этого предприятие прошло обязательную сертификацию в Россельхознадзоре, получив разрешение на вывоз продукции в Гонконг и Вьетнам.(括弧、赤字強調は管理員による)
中国への輸出ではなく、ベトナムへの輸出ということが分かります。
これは、香港パートナーとの間で締結された最初の直接供給契約で、初荷は24トン、将来的には月30トンのペースでベトナムに製品を出荷する予定です。
香港への輸出許可は、香港の会社との契約なのでトランジットの許可で、海上コンテナ1つ分の量ですから、輸送はロシア沿海州の港からベトナムへの船便でしょう。
修正される前はどういう内容だったのか、ロシアメディアの記事と中国当局の発表から見てみましょう。(ロシア語は読み難いので、中国語の記事を使いました☺️)
ロシアメディア "スプートニク"中国語版の、8月4日付けの記事から。
ロシアの"シベリア農業グループ"の発表によると、すでに中国に対して豚副産品の輸出をはじめている。
最初の24トンは、グループ傘下のクラスノヤルスク養豚会社が出荷する。シベリア農業グループは、将来的には毎月30トンのペースで中国に製品を出荷する計画。会社は、すでにベラルーシとモンゴル国への輸出を行っており、ベトナムへの輸出の許可も得た。
据俄罗斯西伯利亚农业集团发布消息,该公司已开始向中国出口猪副产品。
消息说,首批24吨产品由集团下属的克拉斯诺亚尔斯克养猪企业发出。
西伯利亚农业集团计划未来对华出口规模达到每月30吨。目前公司已实现对白俄罗斯和蒙古国的出口业务,并获得了向越南出口的许可。
(赤字強調は管理員による)
初荷の24トン、将来的に月30トンの計画など、修正後のプレスリリースと合致していることが分かります。
中国の商務部が、このスプートニクの8月4日付けの記事を、8月16日に紹介していました(削除済み)。
その時、すでにアフリカ豚コレラ(ASF)は中国国内で発生していました。この紹介記事の来源が駐イルクーツク事務所なので、おそらく担当者は、この内容の重要性が分からなかったのでしょう。
俄西伯利亚地区开始向华出口猪副产品 - 中华人民共和国商务部 (8月16日)(Googleキャッシュ(8月16日)より)
<http://webcache.googleusercontent.com/search?q=cache:RPle7dyUqaYJ:http://www.mofcom.gov.cn/article/i/jyjl/e/201808/20180802776366.shtml>
中国メディアの財新網が参照した、黒竜江省商務庁の8月8日付けの発表「対ロ経済貿易データ(169期)(对俄经贸信息-169期 )」は削除されず、未だにウェブサイトに残っています。地方当局までは、削除の指示がちゃんと伝わっていないようです。
4、俄西伯利亚地区开始对华出口猪副产品
据俄罗斯西伯利亚农业集团近日发布消息,该公司已开始向中国出口猪副产品。首批24吨产品由集团下属的克拉斯诺亚尔斯克养猪企业发出,集团计划未来对华出口规模达到每月30吨。西伯利亚农业集团是西伯利亚地区最大的农工控股公司,旗下10家生产企业分别位于托木斯克州、克麦罗沃州、斯维尔德洛夫斯克州、秋明州、克拉斯诺亚尔斯克边疆区。
(赤字強調は管理人による)对俄经贸信息-169期 - 黑龙江省商务厅 (2018-08-08)
財新網は、この黒竜江省商務庁の発表をもとに、中国のアフリカ豚コレラのウイルスは、もしかしたらロシアかもしれないという記事を公開しました。
中国非洲猪瘟病毒或来源俄罗斯 - 财新网 (08月24日)(Googleキャッシュ(8月25日)より)
<http://webcache.googleusercontent.com/search?q=cache:9XobnaatWPAJ:http://science.caixin.com/2018-08-24/101318543.html>
現在、財新網の記事は、本サイトと主要転載先サイトで削除されています。
記事タイトルがヤバい以上に、記事本文もかなりヤバい構成です。8月24日に、よくこの記事を公開できたものだと、逆に感心しました。
但已有一些证据和观点将此次疫情的源头指向了中国的邻国俄罗斯,比如基因测试显示,中国疫情的毒株部分基因序列与俄罗斯伊尔库茨克2017株的相应序列完全一致;俄罗斯远东地区2017年以来发生多起非洲猪瘟疫情。财新记者发现,今年8月,中国官方已有从俄罗斯疫区所在地的一家养猪企业进口少量猪副产品的记录。
前半は、アフリカ豚コレラ(ASF)のウイルスのDNAが、ロシアのイルクーツクで2017年に分離されたウイルスと一致するというもの。そして後半に、今年8月に、ロシア企業が中国へ豚副産物を輸出したと書いています。
・・・もしかしたらではなく、ロシアから輸入された豚産品が原因だと言っているに等しいのですね。
これは、中国でなくても怒られるケースですよ。
記事前半の、アフリカ豚コレラ(ASF)のウイルスのDNAが、ロシアのイルクーツクで2017年に分離されたウイルスと一致するという話は、当ブログの前のASFの記事でも、"科技日報"の記事を紹介しました。中国共産党系の新華社通信も、その記事を転載しています。今のところ、削除はされていません。
基因测序结果显示,引起我国本次非洲猪瘟疫情的毒株为基因Ⅱ型,部分基因序列与格鲁吉亚2007株和俄罗斯伊尔库茨克2017株的相应序列完全一致。
(赤字強調は管理人による)
中国、「アフリカ豚コレラ」拡大 すでに4.3億頭の豚が感染だって?(中国国内の豚は全部で約4億頭) - pelicanmemo
科技日報の記事は、中国農業科学院ハルビン獣医学研究所の豚伝染病研究室の主任と、中国動物衛生・流行病学センターの専門家に聞いたもので、信頼性は充分に高いでしょう。
ここでは、今回の中国でのアフリカ豚コレラの発生を起こしたウイルスは「遺伝子型II型」(引起我国本次非洲猪瘟疫情的毒株为基因Ⅱ型)と、少し詳しく書いてあります。
遺伝子型II型について、米国CDCによる、中国のアフリカ豚コレラのウイルス (ASFV) の解析結果の、2018年11号に掲載予定の論文を見てみましょう。
On August 3, 2018, an outbreak of African swine fever in pigs was reported in China. We subjected a virus from an African swine fever–positive pig sample to phylogenetic analysis. This analysis showed that the causative strain belonged to the p72 genotype II and CD2v serogroup 8.
2018年8月3日に、遼寧省瀋陽市で発生したアフリカ豚コレラのウイルスは、"p72 genotype II"であることが分かりました。
図Aによると、この遺伝子型II型には、ジョージア(元グルジア)(2007)やロシアのイルクーツク(2017)だけでなく、ザンビア(2017)、ジンバブエ(2015)、エストニア(2014)なども入っています。
ロシアから流入したと100%断定はできません。
それでも、ロシア西部から東欧では終息する様子は一向になく、むしろさらに拡大している感じです。ロシア東部のシベリアでは、ジャンプしながら散発的に発生し、徐々に東へと移動している。陸続きの中国へ流入するのを防げるかどうか、かなりの"挑戦"だと言われています。
そこで、ロシアからの確率は70〜80%としてみました。
ロシアから、中国の黒竜江省へというルートが最も可能性が高いでしょう。
ロシアから北朝鮮、そこから中国へというルートもある得るかもしれません。ただの妄想ですが。☺️
陰謀論って、読んでると無責任に楽しく、調べてみても面白い。無くならないわけですね。
ロシア連邦動植物検疫監督局の公式発表も、実は、本当にあったASFウイルス汚染されていた豚肉輸出があったので、それを、感染源と言われない為に隠蔽するためだったのかもしれませんし。☺️
今度こそ、長文におつきあいいただき、ありがとうございました。☺️
Федеральная служба по ветеринарному и фитосанитарному надзору — Википедия (ru.wikipedia.org)
抗衡美国转购俄罗斯猪肉 疑非洲猪瘟散播源头 - RFA 自由亞洲電台
六是强化部门协作。海关总署第一时间发布警示通报,召开部门会商会,明确分工,细化措施,进一步形成了联防联控的合力。目前4起疫情均已得到有效处置。但从目前情况看,此次疫情的病毒污染面还有待进一步调查,后续疫情形势存在许多不确定性,不排除继续出现新发疫情的可能。另外,该病在我周边国家长期流行、不断扩散蔓延,再次传入风险依然很大。