(月刊コミックバンチ 2020年7月号 Kindle版 より)
『怪獣自衛隊』(井上淳哉/企画協力:白土晴一)が、5月21日発売の月刊コミックバンチ2020年7月号から連載がはじまった。
本作はまず、尖閣諸島に謎の巨大生物が現れるところから始まる。
中国海警局が登場しており、当ブログとしては見逃せない展開だ。
ということで、本作第一話の中国海警局を、マ・ジ・メに♥ 検証してツッコミをいれてみた。
この後、第一話冒頭のネタバレにつながる画像を引用しています。未読の方はご遠慮下さい。(いくつかの電子書籍サービスで、無料公開(要登録)されています)
ネタをネタと分からない野暮助は、この先へは入らずお帰りください。😊
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「BTOOOM!」井上淳哉がバンチで新連載、怪獣VS自衛隊のサバイバルバトル - コミックナタリー
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中国海警局は2018年7月1日に、中国共産党の中央軍事委員会が指揮する武装警察部隊(武警 People's Armed Police(PAP))に編入された。海警総隊となり、中国海警局(China Coast Guard(CCG))の名称も引き続き使用する。
本作では、「中国人民武装警察部隊海警総隊」と、正しい名称が使われています。(よくわかっているじゃないか😊)
作品世界や作風、展開も、期待したい新連載だ。
『怪獣自衛隊』第一話に登場する中国海警局の船は「海警2588」と「海警2398」「海警2399」の3隻。
(月刊コミックバンチ 2020年7月号 Kindle版 より)(以下、同じ)
船首の番号(舷号)のパターンから、「海警2588」は、東シナ海を管轄する東海海区指揮部(東海分局)の直属第2局に所属する5000トン級海警船で、「海警2398」と「海警2399」は同じく3000トン級海警船となる。
【中国海警局】 船名・船舶番号、変更(2019年7月〜)。| 「海警6501」は直属第六局所属の5000トン級。 - pelicanmemo
ここで、戸惑ってしまった。(え?なんだってー😧)
この5000トン級(と考えられる)「海警2588」は、その外見から、3000トン級海警船(海監型)を作画モデルにしている。
本作の作者さん・アシスタントさんは、中国海警局の船の作画が非常に丁寧で、細部まで描いている。(白黒3ページ目)
比較して見てみると、作画の丁寧さがよく分かる。(比較のため写真の左右を反転した)
機関砲は、現実の海監型3000トン級海警船に装備されていないからだろう、このカットには描かれていない。
詳しい資料を探したのだろう。バルバスバウのマークや、船首サイドスラスター2基の水面下で普通は見えない部分も正しく描き、船尾からのカットでも細かく描かれている。(船首の波や、喫水線と船の沈み具合がすこし気になるけれども、そこは気にしないことにした。水の動きの作画は難しい。😅)
現実と違って本作では、船首に機関砲1基が装備されている設定だ(白黒12ページ目)。
3000トン級(と考えられる)海警船2隻の方も、現実に存在する船を作画モデルとしている。
600トン級の618B型海警巡邏船のようだ(正面のちょうど良い比較サンプルが無かったので、辺防海警の頃の画像を使用した)。
船尾側からのカットに描かれている人物の身長を165cmとすると、この艦の全幅は10mほどとなる。この大きさは3000トン級ではありえない。
この船が、作中で言われているように3000トン級なのか、それとも単に600トン級を間違って使ってモデルとして描いてしまったのか、解釈が悩ましいところだ。
さらに検証を続けてみよう。
怪獣へ発砲をした、5000トン級(と考えられる)海警船「海監2588」の機関砲は、中国兵器工業集団有限公司(NORINCO)のH/PJ-17型 単管30mm速射砲と非常によく似ている。
ここも丁寧な作画で分かりやすい。
中国海軍の護衛艦が装備するH/PJ-17型と画像比較してみた。
このH/PJ-17型は砲手が手動で射撃操作が出来、『怪獣自衛隊』でも、砲手が機関砲の射撃操作を行っていた。(半自動での射撃も可能)
実は、H/PJ-17型30mm速射砲は、実際の写真(右下)で分かるようにあまり大きくない。
とはいえ、本作『怪獣自衛隊』で、“H/PJ-17型30mm速射砲のようなもの”が描かれている。
ここは素直に、『怪獣自衛隊』のカットの機関砲の大きさに合わせて“H/PJ-17型30mm速射砲”を実際の船にのせてみよう。
(実は、このデッキの前の方にある2つの黒い台座が、30mm機関砲に対応する機関砲の砲座と言われているものだったりします。🙄
『怪獣自衛隊』の、白黒3ページ目のカットでは、この位置の機関砲は描かれていなかった。
しかし、白黒6~8ページ目のカットでは機関砲がデッキ上にあり、怪獣に対して発砲している。
つまり、この機関砲は、デッキの下からせり上がってくるステキ構造になっているのだ。😆
さらに、拡大してみよう。
発砲時に、砲手が手動で操作を行っている。
ここから、砲手の身長は約3〜4メートルと推測される。(ドドーン!!)
つまり『怪獣自衛隊』世界の令和X年の時代に、中国海警局の船にはゼントラーdh・・・身長3メートル以上の巨人族が乗船しているのだ。😆
記事の前の方で、本作の3000トン級の海警船は実は600トン級がモデルだと書いた。
もしかすると、実は600トン級海警船を部品すべてをスケールアップして設計建造された、巨人族のための船であり、実は、本当に3000トン級なのではないだろうか?
計算をしてみたところ、艦の全幅は20m前後であり3000トン級も充分にありうる。
『怪獣自衛隊』の作品世界は、もしかしたら、第0話と第1話や、宣伝よりも、さらに大きな世界観をもっているのかもしれない。
マ・ジ・メに♥ 検証してみたまとめ。(たのしい)😊
・5000トン級「海警2588」は、海監型3000トン級海警船をモデルシップとして、新たに拡張した設計で建造された5000トン級武装船だろう。人間族とゼントラーdh … 巨人族が一緒に乗船している。
・5000トン級「海警2588」には、巨人族が手動操作するために、H/PJ-17型30mm速射砲の設計をそのまま巨大化した機関砲が装備されている。火力は76mmや100mmに匹敵するだろう。
・3000トン級「海警2398」「海警2399」は、600トン級の618B型海警船の設計をそのまま使って、巨人族のために、ひとつひとつの部品の全てを大型化して建造された3000トン級だろう。こちらの海警船では、乗組員ほぼ全員が巨人族だろう。
・中国海警局の船には巨人族が乗船しているが、本作第一話でほとんど登場していないように見える。それは、たまたま人間族と巨人族とを比較するコマが無いから分からないだけだろう。
沈没した後に、巨人族の乗組員たちは、怪獣に、選択的に食われてしまったかもしれない。
マジメなツッコミ。(たのしい)🙄
・現実の延長として5000トン級を出すのなら、作画の参考は5000トン級「海警2501」等を使った方が…
・3000トン級2隻を出すのなら、以下略。
・機関砲は、30mmではなく、海警局の76mmを使った方がよかったんじゃない?
(76mm。718型海警船での発砲演習)
怪獣マンガなんだ、解釈する方だって、なんだってアリだー 😆
どないしたらええんや・・・