(央视网)
中国が開発をすすめている、国産の4500m級有人深海潜水艇、だいぶん形になってきた。現在、江蘇省無錫市にある中船重工702研究所で、はじめての水中テストが行われる段階になっている。中国中央電視台(CCTV)が、4月前半のいくつかの番組で紹介した。
専門家によると、7000m級有人深海潜水艇「蛟竜(蛟龙)」号の部品の多くは輸入品(管理人注:自主開発率は約60%)だが、国産4500m級有人深海潜水艇は、重要なパーツでは国産化100%を実現し、全体でも90%以上に達しているそうだ。
专家告诉我们,蛟龙号上的很多部件是进口的,而此次4500米载人潜器的核心部件全部实现了国产化,整体国产化率超过90%。
我国4500米载人潜水器整体国产化率超90% 性能超“蛟龙”号 - 央视网
国産4500m級有人深海潜水艇(以下、「国産4500m級」。名前はまだ無い。)の特徴と蛟竜号との違い、どこが国産化されたかを見てみたい。
【再掲】中国の有人潜水艇「蛟竜号」はどこまで自主開発なのか調べてみた: メモノメモ(2011年8月4日)
蛟竜号の、7000m級潜水試験に向けた改造と「失踪事件」: メモノメモ(2012年6月6日)
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ぱっと見た感じ「蛟竜号」と似ていると思えるが、ちゃんと見比べてみるとかなり違っている。装備もいろいろと変わっている。
左が「蛟竜」号、右が「国産4500m級」。
(央视网)
国産4500m級は、蛟竜号と比べて耐圧殻がより船首近くに配置されていて、全体的にずんぐりとしている。その分、投光器やカメラ、サンプルバスケットやマニピュレータが前の方に出っ張っている。重心が船首側に偏っているようにも感じられる(潜航方法に影響が?)。
7000m級有人深海潜水艇「蛟竜(蛟龙)」号
こまかく見ていこう。
蛟竜号の耐圧殻はロシア製だったが、国産4500m級の耐圧殻は中国国産となった。
直径(内径)は「蛟竜号」の耐圧殻と同じ2.1m(乗員は3人(パイロット1人、研究者2人))。観測窓を5つに増やしたことで海底での視界が、より良くなった。
(央视网)
この国産4500m級の耐圧殻の素材は、中国が自主研究開発した"Ti80" チタン合金。国産4500m級に使われる耐圧殻は製造方法を試行錯誤して技術開発をすすめつつ、3つを製造する計画だそうだ(3隻の建造が計画されている)。
中国、国産の4500m級有人深海潜水艇 耐圧殻が完成【画像】 - pelicanmemo(2015-05-26)
国産4500m級のコニカルハッチ。
(央视网)
シンタクチック・フォーム(浮力材)も国産化された。高性能のマイクロバルーンの産業化のためのキー・テクノロジーを獲得し、国産4500m級のための量産化の目処がついた。
我国自主研制的4500米载人潜水器深潜用固体浮力材料实现批量生产 - 科学技术部
水深7000m級の「蛟竜」号では、米国企業の英国工場製を使用している。輸入の時には、米国から中国へのハイテク素材の輸出規制という中国なりの苦労があったそうだ(苦笑)(技術流出の事を考えると、笑い事じゃない)
詳しくは、次の記事に書きましたのでご一読ください、
『第四極』読了。 中国の7000m級有人深海潜水艇「蛟竜」号、研究開発・深海挑戦記。(1/2) - pelicanmemo(2017-01-02)
『第四極』読了。 中国の7000m級有人深海潜水艇「蛟竜」号、研究開発・深海挑戦記。(2/2) - pelicanmemo
主蓄電池(メイン・バッテリー)は、蛟竜号で使われている酸化銀・亜鉛電池から、リチウム電池が使われることとなった。
(レコードチャイナの4月13日付けの記事では「4500メートル級は従来のアルカリ電池の代わりにリチウム電池を採用し」と訳して紹介していたがこれは翻訳ミス。蛟竜号は、しんかい6500も使っていた酸化銀・亜鉛電池(银锌电池)を使っている。)
国産4500m級の主蓄電池。
(央视网)
充電サイクル回数も50回から500回と向上した。小型軽量化とメンテナンス製も向上しただろう。
マニピュレータも国産化されたようだ。(蛟竜号のマニピュレータは、Schilling Robotics社製の「Orion7P」のようだ。 )
(央视网より)
後ろからも見てみよう。
(央视网)
蛟竜号は尾翼がX字の4枚で主推進器4基。
国産4500m級は大きな垂直尾翼1枚と、左右の水平尾翼と一体化した主推進器2基となった。さらに船尾に垂直スラスタ1基が装備されている。
(央视网)
蛟竜号の垂直スラスタ2基は船体中央の左右にいわば"外付け"されている。
国産4500m級の船体中央の垂直スラスタ2基は、日本の「しんかい6500」と同じように船体内部に設置された
(央视网)
蛟竜号は、主推進器4基が船尾に斜めに付いているので、水平方向の推進力も得ることが出来た。しかし国産4500m級のイラストや写真を見ると、水平スラスタは船首近くの1基だけのようだ。
最初見た時は、船尾の垂直スラスタが基礎ごと回ることで、垂直スラスタと水平スラスタの両方の役割をするかと思ったが、ニュース動画をいくつか見てみると垂直に固定されているようだ。操縦性能が劣っているようにも感じられる・・・、
国産化できていない残りの約10%は何か?
続報を待ちたい。
(央视网)
国産4500m級の母船「探索一号」の改修は終了し、すでにマリアナ海溝などでの深海の科学調査の任務についている。
中国、国産の4500m級有人深海潜水艇の母船「探索一号」、大規模改修が終了 中国科学院に交付 - pelicanmemo(2016-05-08)
此処に、中国の国産4500m級の模型が並ぶのだろうか・・・
横浜に、中国の7000m級有人深海潜水艇「蛟竜号」が - pelicanmemo(2015-05-25)
[中国新闻]关注中国4500米载人潜水器 | CCTV-4 - YouTube
我国4500米载人潜水器整体国产化率超90% 性能超“蛟龙”号 - 央视网
关注我国4500米载人潜水器 潜水器进行观测窗玻璃清理 - 央视网
我国4500米载人潜水器的"心脏"和"供血"系统功能太强大了! - 央视网
我国自主研制4500米载人潜水器:潜水器安全转运 状态良好 - 央视网
关注中国4500米载人潜水器_CCTV节目官网-CCTV-4_央视网
我国4500米载人潜水器整体国产化率超90% 性能超“蛟龙”号 - 参考消息
中国の4500メートル級有人潜水艇、国産化率が90%以上に―中国メディア - Record China
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